「悪い、暖房壊れたみたい…。」
その一言に目を見開いた。

右往左往する恋心矢印


「…付かないな。」
「だろ…?」
家康の部屋に行った三成は、暖房のスイッチを入れてみるものの…暖房は動く
気配を見せない。
「――兎に角、秀吉様に連絡してこい。」
「…そうするしかないかぁ。」
三成の提案に家康は溜息を吐きながらも、管理人である秀吉に連絡する為――
携帯を取り、2度3度ボタンを押し…耳に当てた。

「…どうだった?」
「『明日朝一で電気屋に連絡を取る』ってさ…。」
連絡を終えた様子の家康に三成が声を掛けると、家康は落胆した表情を浮かべて
そう言った。
「どうしよう――今日寒いのに…。」
家康のその言葉に、三成も顔を顰める――そう、実は本日…今年一番の寒波が
直撃しているのである。
こんな時に暖房が壊れるなんて――非常に運が悪かった。
「――なあ…三成。」
「何だ?」
溜息交じりで呼ばれた家康に呼ばれた三成が、家康の方を見ると――当の家康は
何か色々と葛藤している様な表情を浮かべており…そして何処か真剣な声色で
こう言った。

「――今日、泊めてくれないか…?」

「なっ――――!!!!!?!!!」
「しょ、しょうがないだろう!?こんな寒い日に暖房無しで寝たら、ワシ確実に風邪引く!!」
顔を赤くして驚いた三成に釣られたのか、家康も顔を赤くして言い返す――が、
確かに家康の言う事には一理あった。
この寒い中…暖房無しで眠ってしまえば、確実に家康は風邪を引く――だが、
それ以上に…自分の理性が耐えられるかどうか…。
そんなこんなでグルグルしていた三成だったが…結局――。

「――好きにしろ…。」
「ありがとう!三成、大好き!!」

(だ、だいすきとかいうなぁあぁああああ――――――!!!!)

最終的に――家康が泊まる事を了承したのだった。

End.
Title:『Fortune Fate』/Template:『Spica
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