B級ポルノ的小話 (お題は『age』から)
目隠し/哀しい性/セルフポートレート/首筋の情痕/鈍い痛み/狭間で揺れる/
目隠し (J×凱)
「ゃ…あ―――――!」
悲鳴を上げて果てる彼を赦さず、更に攻め上げる。
「ひ…も、やめ…。」
「そう言う割には―――。」
未だに蜜を流す彼自身を刺激すれば、甘い悲鳴が上がり、吐息が零れる。
「ぁ…あ、ぁ…。」
「――付き合って貰うぞ」
汗で濡れた彼の背中を舐め上げながら、私はそう言って、行為を再開した。
只――欲に濡れた彼の目を隠してしまったのは、些か勿体ないと思った。
(赦してくれない)
哀しい性 (J×凱)
「あつい…。」
「――――。」
呟きながら近付いてくる彼に、私は頭を抱えた――そりゃ、熱いだろう…。
切欠は――滅多に飲まない酒を、彼が飲んでしまっただけの事…。
「じぇい…」
舌足らずの声で呼ばれ、思わず身体を強張らせた。
「何だ?」
それを悟らせない様に、擦り寄ってくる彼の髪を梳いてやれば、気持ち良さ気に目を細めた。
暫くそうしていると…指先に鋭い痛みを感じたので、見てみれば…。
「何を…っ!?」
これまた見事に――指を噛まれていた…しかも、かなり強い力で。
「離せ…っ」
言えば、彼はあっさり離してくれたが…今度は指を舐められた。
「凱――!」
私は止めさせようと声を上げるが…彼はお構いなしに、舐め続ける。
結局――彼が酔い潰れるまで、無駄な攻防が繰り広げられる事になったのは…言うまでもない。
(酔っ払いの戯れ)
セルフポートレート (J×凱)
「は…ぁ。」
色めいた吐息が聞こえ、私は思わず笑う。
「随分と…色っぽいな。」
「〜〜言うな…っ!」
揶揄う様に指摘すれば、即座に噛み付いてくる――すると、ある物が目に付いた。
「…?」
「それ…ポラロイド…?」
手に取ったそれに首を傾げていたら、彼が呟いた。
「簡単に言えば…現像無しの、カメラだよ。」
それを聞いて、私は悪巧みとも言える事を思い付いた。
「何か、変な事考えてないよな…?」
「――――…さあな。」
取り敢えず――彼の問いかけには、そう惚けておいて…中断していた行為を再開した。
私が何を撮ったかは…秘密にさせて貰う――まだ、死にたくはないからな…。
(何を撮ったの?)
首筋の情痕 (※裏SS『媚薬〜』の後日談)
「そう言えば…何故、ああなった?」
事の詳細を聞こうとしたら、彼女は微妙な表情を浮かべた――その身体には、未だ情痕が色濃く残っている。
「…言わなきゃ、ダメ?」
「駄目だ。」
私は逃げ場を封じて、彼女に再度尋ねた。
「――その…巻き込まれた、ルネと伯父さんの喧嘩に。」
「―――成る程な…。」
予想通りとも言える彼女の答えに、私は頭を抱えた。
事の詳細は――偶々、従妹を尋ねた所…親子喧嘩に巻き込まれて、薬を被った…と言う事らしい。
「…やれやれ…。」
彼女が居なくなった部屋で、私は溜息を吐いた。
「親子喧嘩は良いが…私達を、巻き込まないでくれ…。」
今は居ない彼女の従妹に向かって、私は、愚痴とも言える言葉を零した。
同時刻――彼女の従妹が嚔をしていた事は、当人しか知らない事である。
(お約束な原因)
鈍い痛み (ピッツァ×凱)
強引に口付けられて、嫌で噛み付いた――何のつもりだ!!
「…随分と、色めいた顔をする。」
「っ!!」
咄嗟に蹴り上げようとした足はあっさりと止められ…逆に、一撃を叩き込まれた。
「――かはっ!!」
「ふん、たわいない。」
痛みに呻いていると、そんな言葉と共に髪を引っ張られて、無理矢理上を向かされた。
「つっ!」
「さっき迄の、勢いはどうした?」
揶揄う様に言われて、顔が赤くなるのが、自分でも分かった。
「精一杯、抗うがいい。」
それを聞いて―――俺の中で、何処か『憎しみ』にも似た鈍い痛みが奔った。
(強引な手法)
狭間で揺れる (J×凱 ※吸血鬼と夢魔設定)
「ひ、ぁあ!」
幾度と無く打ち込まれる楔に、俺の口からは甘ったるい声が零れ…羞恥に駆られる。
「ジェイ、も――ひっ!?ジェ、イ…ぁ、だ、ぁあ――!!」
この状態をどうにかしてくれるであろう、恋しい男の名前を叫べば、弱い所を突き上げられ…更に啼く羽目になった。
只…果てる瞬間に―――。
『――狂ってしまえ』
眠りの狭間で揺れる意識の中で…俺はそんな声を聞いた気が――した。
(落ちる寸前)