世界が変わる
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J×凱でパラレル。吸血鬼と夢魔の出会い。タイトルは『age』様から
「…夢魔か。」
羽を休める為に降り立った場所で眠っている『それ』に、吸血鬼はそう呟いた。
偶々『食事』の為に外に出たのだが…物珍しい―と言っても…同じ夜の眷属なのだが―客人に、吸血鬼は思わずその寝顔を見つめた。
「ん…?」
そんな気配と視線に気付いたのか…夢魔の瞼が開き、吸血鬼の姿を捉えた。
「……………。」
「えっと…――こんばんは?」
お互い目が合って、気まずい雰囲気の中――先に口を開いたのは…夢魔の方だった。
「お前、吸血鬼か?」
「あ、ああ。」
興味津々と言った表情で尋ねてくる夢魔に、吸血鬼はたじろいだ――夢魔の眼が、恐ろしい程に澄んでいたから。
「怖がらないのだな。」
自分を怖がらない夢魔に、思わず吸血鬼はそう尋ねた。
「別に?同じ世界(よる)に住んでいるのに、怖がってどうするんだ?」
夢魔は純粋にそう思っているのか、不思議な表情で答え…それを聞いた吸血鬼は、呆れた様に苦笑したが…同時にこの夢魔に興味を惹かれた。
(――夢魔の割には幼いと言うか…純粋すぎる…。)
「おい。」
「何だ?」
呼び止めるその声に首を傾げる夢魔に、吸血鬼は一番大事な事を尋ねた。
「貴様の名は?」
End.
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