戀しい人
Information :
J×凱でパラレル。吸血鬼と夢魔。タイトルは『GODLESS』様から
「未だ早いか…。」
起床してみれば…時間は宵の口――待ち人の客人が来るのは、未だ未だ先の事であった。
「――どうするか。」
『食事』に行っても良かったが…客人と擦れ違いになりそうな気がしたので、行くのは止めた。
そんなこんなで暇を潰していたら、窓が開く音が聞こえ…柔らかな音階が聞こえた。
「や――こんばんは。」
その音階は――吸血鬼が待っていた客人―夢魔―の声だった。
「早かったな。」
意外と早く訪ねてきた夢魔に、吸血鬼がそう尋ねたら…夢魔は歯切れ悪くこう答えた。
「うん、まぁ…」
それを聞いた吸血鬼は、怪訝な顔をした。
「どうかしたか?」
怪訝な顔のまま吸血鬼が、再度夢魔に尋ねれば――夢魔は顔を赤くして、小声で言った。
「早く――逢いたかった、から…。」
そんな夢魔の言葉に、吸血鬼は無意識の内に…その華奢な身体を抱き寄せた。
「わっ!J…?」
「――私も貴様に、逢いたかった。」
吸血鬼は自分の腕の中で戸惑う夢魔にそう答えれば、腕の中の夢魔は更に顔を赤くしたのだった。
End.
BACK