下心と真心?



こんばんは?

「ぎゃ―――――!!?」
「お静かに。」
悲鳴を上げる、ユースケに対し…にこやかな笑顔で言うのは、バーモントである。

「な、なな何で居るんだよっ!!」
「居てはいけませんか?」
「当たり前じゃ、ボケッ!!」
問い質すユースケに、のほほんと言うバーモント―――端から見ていると、まるで漫才の様な遣り取りである。
「で…何しに来たんだよ?」
些か頭を抱えたユースケは、微妙に凹んだ表情でバーモントに尋ねる。
「この時間ですしねぇ…お解りになるんじゃないですか?」
凹んでいるユースケを見ながら、笑顔でとんでも無い事を言ってのけた。
「…今すぐ、帰りやがれぇぇぇ―――――!!!」
言葉の意味を理解したユースケは、真っ赤な顔でバーモントに殴り掛かるが…逆に腕を掴まれた。
「暴力はいけませんねぇ…。」
「原因がいけしゃーしゃーと言うんじゃねーーー!!」
腕を掴んだままそう言うバーモントに、ユースケは叫びながら激しく暴れた。

「…分かりました、今回は引きましょう。」
流石に…押さえ込むのがきつくなったのか…バーモントは、溜息を吐きながらそう言った。
「おー…サッサと帰りやがれ…。」
暴れるのに疲れたのか…ユースケは半ば投げ遣りな声色でそう言った。
「只…このまま手ぶらで帰るのも、些か癪ですねぇ…。」
「え?」
顎に手を当てて考え込みながら、小さな声で呟くバーモントに、それが聞こえたのか…ユースケは訝しげな顔で首を傾げる。
「…ちょっと、失礼しますよ。」
「おい、何す…んん゛ぅ――――!?」
バーモントはそう言って、ユースケの顎を掬い上げ、その唇に口付けた。
「―――ぁ…。」
「――御馳走様でした。」
解放した途端崩れ落ちたユースケに、バーモントはそう言って、外に待機させていたロッポニカと共に…その場から立ち去った。

「…二度と、来るんじゃねぇ―――――――――――!!!!!」

因みに。ユースケが正気に戻ったのは…バーモントの姿が完全に消えた後だったとの事。

End.