『予期せぬ爆弾』シリーズ番外編(?)その2 (お題は『age』から)
sanzionare/駆け抜けて/つれづれ/憂鬱バスタイム/足首にキス/躾の基本/
sanzionare (本編小ネタ)
「見るなぁ――――!!」
――バコっ!!
彼のその叫びと共に投げられた物が、見事に私の頭部に当たった。
「わ、分かった!だから物を投げるな――――!!」
痛む頭を押さえながら言って、私は急いで後ろを向いた。
事のあらましは――偶然、彼の部屋に行ってみれば…着替え中だっただけ。
『不可抗力だ…。』
そんな事を思いながらも…彼の着替えが終わるまで、私は後ろを向いたままだった。
「今度からは、部屋にロックでも掛けておけ…」
「…そうさせてイタダキマス。」
その後――私と彼の間で『着替え中の厳重ロック』が暗黙の了解になったのは…言うまでもない。
――因みに。私が何処まで『見た』かは…伏せておく事にする。
(愛がイタイ)
駆け抜けて (子供化。J+ちび凱)
『待て――――――!!』
「『待て』と言われて、待つバカは居ないぞ!?」
凄まじいとも言える迫力で、追いかけてくる面々(女性陣)から逃げながら、私は叫ぶ。
「ジェイ、おちる――!!」
何時の間にか…落ちそうになっていた彼を抱え直して、私は逃げた。
「何とか撒いたな。」
「うん…。」
何とか自室に逃げ込み、改めて彼の姿を見て…溜息が零れた。
「何て格好をしてるんだ…。」
そう――今の彼の服装は、『如何にも…』と言わんばかりの黒のワンピースだった。
「なんか…おねーちゃんたちに、きせられた。」
返ってきた言葉に、些か頭が痛くなってきた気がした。
「――外に行くか…?」
「いこ!」
暫し考えて提案した所、彼は顔を輝かせた――彼の着替えは、外で済ませば良い事だ。
私は出来る限りの速さでプロテクターを外し…再び彼を抱えて外に飛び出した。
結局――私達が戻ったのは、とっくに日が暮れた時間だった。
(チェイス、チェイス!)
つれづれ (子供化。ルネとちび凱)
「あ、ルネ。」
「?」
一人で居たら――珍しい事に従兄にあった。
「どうしたんだい、1人で居るなんて」
「さんぽ。」
あたしが尋ねたら、従兄はそう答えた。
「Jはどうしたんだい?」
保護者とも言える人物の事を聞けば、途端に不機嫌な顔になった。
「―――しらない。」
頬を膨らませながら呟く姿は、誰が見ても可愛らしい物だった。
その頃――保護者はと言えば…。
「何処に行った―――!?」
叫びながら…心当たりである――ジェイアークのメインコンピュータールームへと、猛ダッシュで向かっていた。
「喧嘩でもしたのかい?」
隣に座って尋ねれば、従兄はコクリと頷いた。
「やくそく、してたのに…むりだって…。」
その言葉から察するには――どうやら、保護者が約束を破ったらしい。
「今日は、あたしと居るかい?」
目を合わせながら言ってやれば、おどおどとした様子で尋ね返す。
「…いいの?」
それを聞きながら、あたしが首を縦に動かせば――漸くニコッと笑ってくれた。
「――子供との約束を破るのは、感心しないよ?」
「…済まなかった…。」
フラフラの状態で漸くやって来たJに釘を刺せば・・・力無くそう言う。
「その言葉は――あたしより、凱に言ってあげな。」
「…ああ…。」
保護者の背中で眠っている従兄を指差しながら言ってやると、肩を落として戻っていった。
因みに――翌日、許して貰えなかったのか…保護者の背中に雨が降っていたのは――言うまでもなく。
――自業自得だよ、J?
(保護者のドタキャン)
憂鬱バスタイム (子供化。J+ちび凱 [※つれづれの続き])
「じっとしてろ!」
「や―――!!」
暴れる彼を押さえて、髪を洗ってやろうとするが…どうにも、大人しくしてくれない。
「頼む、少しは大人しくしてくれ!」
「―――ふわぁ!」
最終手段にでた私は、暴れる彼を抱き抱える――すると…漸く、大人しくなってくれた。
「――まだ、怒っているのか…?」
「おこってる。」
問い掛ければ、鰾膠もなく返され…私は落ち込んだ――悪いと言う自覚があるから、余計に。
「本当に悪かった…。」
「しらない―――。」
本気で謝るが…どう見ても『怒ってます』と言わんばかりの表情で、彼はこう言ってくれた。
「――やくそくやぶった、ジェイなんか…きらい。」
トドメの一言を言われて、固まってしまった私を後目に…彼はさっさと浴室から出て行ってしまった。
翌日――私が背中に暗い雰囲気を背負ったまま、1日を過ごす事と相成ったのは・・・言うまでもない。
――因みに…私が彼に許されたのは、それから2日後の事だった――。
(凹む保護者)
足首にキス (子供化。J+ちび凱?)
「どうした…?」
帰って来た彼を見て、驚いた顔で尋ねると―――。
「――こけたの…。」
彼方此方擦り剥いて帰って来た彼は、開口一番にそう言った。
「少し、酷いな…。」
擦り剥いた足首を見れば…多少出血が酷かった――どういう、転け方をしたんだ…?
「…取り敢えず、拭うぞ。」
濡れたタオルを片手に呟きながら、一応、傷口を拭ってやる。
「っ…!」
「――痛むか?」
拭った瞬間…顔を歪ませた彼に尋ねると、コクリと首を動かした。
「弱ったな…。」
私はそう呟いて、ある物―消毒液―を探すが…全く、見付からなかった。
暫く考えて、再び彼の元へ戻った私は、彼の傷口に口付けた。
「ぇ?」
「――消毒だ。」
目をキョトンとさせる彼にそう言って、私はその行為を繰り返した。
彼の傷口が綺麗なっても、私は暫くその行為を続けていた。
まるで――溢れる血を舐め取る、吸血鬼の様に。
(応急手当)
躾の基本 (可愛いおねだり? ※ブログにUP)