またの名をお約束な反応?



やれやれ…どうなる事やら…?

翌日…あの親父をシメに行って、気分がスッキリした所に見慣れた姿を見つけた。
「何してんだい、J?」
声を掛ければ、軽くウンザリした様な雰囲気を纏っていた。
「ルネか…凱を見なかったか?」
その言葉に、首を傾げるが…『考えてみれば、昨日は居なかったんだけ…』と思い当たる。
「いや…見てないね。」
「…そうか。」
微妙に間を置いて、そう答えれば――『またか…』と言わんばかりの声で、そう言った。
再び従兄を捜しに行く彼に、少々罪悪感を憶えたけど…――。
「…言ったって、どうにもならないしねぇ…。」
今の従兄を見た時の彼の反応を思って、あたしの口からは溜息が零れた。

『――捜しても捜しても、見付からない!!』
いい加減に見付からない彼に、腹が立ってくる。
尋ねた面々が――全員全く以て、微妙に目線を逸らして答えるのだから…余計に腹が立つ。
唯一の頼みの綱でもあった、彼の従妹ですら…彼の居場所は、知らないと言う。
「一体、何処に居るんだ…?」
そう呟いて、ふと…目線を前に向ければ、捜し人が居た。
「が――」「!!」
声を掛けようとしたら――何と逃げられた…。
「…………待て!!」
一瞬…呆然と立ち竦んだが、即座に追いかけた――私、何かしたか!?
「待て、凱!!」
「イヤだ―――!!」
呼び止めながら追いかければ、直ぐに拒否の言葉が返ってくる。
…何かおかしい――漠然と思いながら、私は更に追跡のスピードを上げた。

「どうするのかねぇ…?」
『――本人次第ダト思ウ。』
「そうだねぇ…。」
――メインコンピューターと彼の従妹との間で…何て会話が、繰り広げられていたのは…また別件と言う事で。

「ぜぇ…ぜぇ、つ、捕まえた、ぞ…!」
「〜〜〜!!」
らしくもなく息を切らして、漸く彼を捕まえる事が出来た。
「何故、逃げた?」
「そ、それは―――。」
逃げられない様に、腕をしっかり掴んで問い掛ければ…目を泳がせる――私は、ここで漸く違和感に気付いた。
「…貴様、何か細くなってないか?」
「う゛…。」
それを指摘すると…彼は忽ち顔色を変える。――怪訝な顔で、私は徐に目線を下へと移した。
「…おい、凱。」
「何でしょうか…?」
その目線の先には、私が知っている限りで―ほんの微かだが―『有り得ない膨らみ』があった。
「コレは…何だ?」
「痛!いた、痛い!!」
『それ』を掴めば、即座に痛がる彼――私の頭が最終的な答えに辿り着く、まさ、か…まさか、まさか!?

「どう言う事だ…?」
「いや…伯父さんの悪戯で、な…。」

『―――女になっちゃったんだよ…』

「はあ――――――――――!?」
それを聞いて、私がフリーズしたのは…言うまで無かった。

身体が元に戻るまで――後、6日。







オマケ

「何故教えてくれなかった!トモロ!!」
『ルネが、[聞イテキタラ]ト。』
「…………。」
事を知っていた、メインコンピューターに尋ねれば…いけしゃあしゃあと答え、私は肩を落とす。
「あたしが言わなかったのは、もう聞いていると思ったからなんだけど…?」
『基本的ニ…Jハ、噂話ニ興味が無イカラナ。』
メインコンピューターと彼女の言葉に、私が更に凹んだのは――仕方ない事だった。