またの名をエンドレス?



――結局、意味がないよ!!

「あ〜…やっと戻れる…。」
俺はそう呟いて、伯父さんから差し出された『それ』を飲む。
「…ま、戻れると良いけどね。」
「…ルネ…。」
「――…身も蓋もないな…。」
冷たく呟く従妹に、Jと一緒に顔を引きつらせる――信用されてないなぁ、伯父さん…。
「…あれ?」
微かに生じた違和感に、俺は声を上げた。
「どうした?」
「いや…何か――」
声を掛けてきたJに…俺は手を動かしながら、最後まで言おうとした瞬間――

「あ、ゴメン――言い忘れてた。」
そんな伯父さんの声が聞こえて、俺達は揃って――伯父さんの方を向いた。

「何ですか?」
「副作用があるって言うの忘れてたよ。」
――笑いながら言った伯父さんに、一瞬――時が止まった気がした…。
「「「――ふ、副作用!!?」」」
あんまりな発言に、思わず3人で声を揃えて叫ぶ。
「お…親父…副作用って…?」
やはり耐性があるのか…真っ先に我に返ったルネが尋ねる。
「ああ、それは―――」
伯父さんが副作用を言おうとした瞬間――『ボン!』と間抜けな音と共に目の前が見えなくなった。
「うわっ…!!」
「けほっ…凱、大丈夫か、い…――!」
「おい!一体、何だ…―――!!」
煙が晴れてきて漸く目の前が見えて来たと思ったら…2人が固まってた。
「おい?2人共、何固まっ、て―――。」
固まっている2人に首を傾げて――ふと、置いてあった鏡に映っていた自分を見て…俺は悲鳴を上げた。

「な…何ですか、これぇ―――――!!」

「『子供化』の副作用だよ。」
パニックで時が止まった俺達に、そんな伯父さんの声は届かなかった。

「…………。」
「る、ルネ?」
無言で近付いてくるルネに、伯父さんは引きつった声を上げた。
「…人生、やり直してみるかい?」
その言葉を聞いた瞬間…伯父さんは固まった――そりゃもう、見事なまでに。
「落ち着こう、ルネ!!」
「これが落ち着いて居られるかぁ―――!!!!」
そんな親子喧嘩(?)を聞きながら、俺はJに抱き抱えられた。
「――どーする…?」
「私に聞くな…。」
遠く聞こえる喧嘩を耳にしながら、俺達は同時に溜息を吐いた。

因みに――俺が本当に元の身体に戻ったのは…更に、3週間後の事だった。

End.