第4話-その2-
號斗丸が爆流たちと居ると解ってから、数時間後・・・・・・。
烈帝城では、飛駆鳥(ビクトリー)が『新世大将軍』に捜索結果を報告していた・・・・・・。
「じゃあ。號斗丸は、爆流たちと居るというのか?!」
と、大声を出す新世大将軍。
「はい。恐らく、間違いないかと思われます・・・・・・。」
淡々と結果を述べ上げていく、飛駆鳥。だが、この声には明らかに怒りが含まれていた。
「一体、號斗丸たちは、何を考えているんだ?!」
「さぁ・・・。それは解りませんが、このままじゃらちが明きませんので、取り敢えず
捜索隊の増員をしても宜しいでしょうか?」
「解った。許可を出す。兎に角、號斗丸たちを見つけだす事を最優先しろ。」
飛駆鳥の申し入れに、新世大将軍はアッサリと許可を出した。
「了解!!」
そして飛駆鳥は、将軍の間を立ち去った・・・・・・。
この会話を聞いていた『将頑駄無』轟天頑駄無は・・・・・・。
『これで、また暫く、職務が滞るな・・・・・・。』
と、心の中で溜め息を吐いていた・・・・・・。
そして、将軍の間から立ち去った飛駆鳥は、ある部屋の襖を開けた・・・・・・。
「入るぞ!!」
襖を開けるが否や飛駆鳥は、その部屋に居た武者4人に声をかけた。
「うわ!?飛駆鳥様!!いきなり、どうしたんですか?」
「あ〜〜!?いきなり、開けないでくださいヨ!!」
「一瞬、誰かと思いましたよ・・・・・・。」
「本当に、何かの討ち入りかと思ってしまったじゃないですか!!」
それぞれで、愚痴を零す武者4人。
「文句を言うな・・・。減俸処分にするぞ・・・・・・。『新風林火山四天王』・・・。」
その言葉と声に低さに、驚いてしまった4人は思わず後退った・・・・・・。
「さてと、休日を過ごしている4人には悪いんだが、今すぐに『恵亜須(エアーズ)の街』に向かって欲しい。」
と、今の『新風林火山四天王』にとっては最悪の宣告が下された。
「はぁ?!何言ってるんですか!!」
「そうネ!!俺(ミー)たちは、有休ネ!!」
「そうですよ!!幾ら何でも・・・・・・。」
「烈帝城に戻ってから、血の滲むような思いでもぎ取った有休ですよ!?俺たちは!!」
4人共、流石に文句を言っている。
そりゃそうだ。彼らは、何せ烈帝城に戻ってからも仕事があった為…血の滲むような思いで獲得した有休なのだ。
それを邪魔されては、堪ったものでは無い・・・・・・。
だが、飛駆鳥から、更に、重い宣告を受けてしまった・・・・・・。
「ほぅ〜〜?そんな事を言っていると、減俸処分+有休無しにするぞ・・・・・・。」
流石に、これには参ったのか…4人共、肩をガックリ落として飛駆鳥の命令を聞くことにした・・・・・・。
「それじゃ、命令を下す。『輝龍(きりゅう)』、『真紅主(マックス)』、『鷺主(ローズ)』、『冒流刀(ボルト)』、
おまえたちには、弟の捜索に参加して貰うことになった。」
それを聞いた4人は『はぁ?!』と、大声を出した。
「號斗丸の捜索って、どういうことですか?」
「確かニ、何かあったんですカ?」
「そう言えば、何か一昨日から、騒がしかったような・・・・・・。」
「鷺主の言う通りだ。確かに、騒がしかったな。」
と、四者四様に言葉を発する。どうやら…號斗丸の姿が消えた事は知らないらしい・・・・・・。
その様子に、飛駆鳥は『何にも、知らないのか?』と溜め息を吐いた。
「何にも知らない様だから、説明するぞ。一昨日から、號斗丸の姿がこの烈帝城から消えた。」
飛駆鳥は、輝龍たち4人に簡単に説明した。
それを聞いた4人は『えぇ〜〜!!』と、大声を発した・・・・・・。
「ちょっと、本当ですか?!」
「號斗丸が、居なくなったっテ!!?」
「ホントですか?!!その話!!」
「號斗丸の姿が、消えたってどーいう事ですか?!!」
4人は飛駆鳥に詰め寄る。それに対して飛駆鳥は・・・・・・。
「だ〜〜!!!!!一遍に話しかけるな!!鬱陶しいわ!!」
飛駆鳥は、本日、1番の大声で怒鳴った。
その怒鳴り声で、輝龍たち4人は借りてきた猫の様に、静かになった・・・・・・。
「取り敢えず、わたしが率いた捜索隊の報告では『恵亜須の街』にある爆流たちの家にいる事までは、
解ったんだが・・・・・・。そこからの足取りが、全く掴めん。それに、爆流たちも、一緒に逃げている様だ。」
と、飛駆鳥は説明した。
そして、4人からこんな答えが返ってきた。
「超将軍の爆流殿と、一緒にですか?」
と、輝龍。
「って事ハ、鋼丸も一緒って事になるネ。」
続いて、真紅主。
「複数形だから、そうなるな。」
そして、鷺主。
「確かに。その事を聞きますと、爆流殿は、號斗丸の逃走を援助している事になりますね。」
最後に、冒流刀。
その言葉を聞いた、飛駆鳥は、こう答えた。
「確かに、そうなんだが・・・。だから『恵亜須の街』を中心にして捜索を行っている。だが、人手が足りないんだ。
そこで、おまえたちにも捜索に協力して欲しい。」
その飛駆鳥の言葉に『新風林火山四天王』は・・・・・・。
「解りました、おれたちも、捜索に参加します。」
「そうだナ。流石に、理由も無しに消えたんじゃナ・・・。」
「確かに。これ以上、騒ぎを大きくする訳には、いかんからな。」
「御尤もな意見だ。突然、前触れも無しに、姿を消したのでは、手掛かりも少ないだろうし。」
と、協力の意を示した言葉が返ってきた。
それに対して、飛駆鳥は・・・・・・。
「解ってくれたか!!それじゃ、早速向かってくれ!!」
と『早く捜しにいけ!!』と言わんばかりに、輝龍たち4人を部屋から外に出した。
「はぁ〜〜;;折角、有休を取ったのにな。」
「そうだナ・・・。」
「そう言うな。オレたちに、とっても號斗丸は、大切な友人だ。」
「その通りだ。友人が消えたとなると、おれたちも捜しに行かなければならんだろう?」
お互いに愚痴を零しながら4人共、世間話みたいに話している。
あの後。飛駆鳥は、輝龍たち4人を人間業とは思えないスピードで、烈帝城の外へ放り出した。
しかも。キッチリと、釘を刺しておいて城から放り出したのだ。
『ちゃんと、弟を連れて戻ってこい・・・。さもなければ、有休無しにするぞ・・・。』
こう言う部分はやはり、新世大将軍の血筋なのだろう。
「でもさ〜〜。ちょっと、行き過ぎな点がないかと、オイラ思うんだけど・・・・・・。」
「それは、ミーも同じね。」
「確かに。行き過ぎだな・・・・・・。」
「自分もそう思うが、仕方が無い・・・。一応、大将軍命令として命令されたからな。」
と、苦笑しながら言う『新風林火山四天王』の4人。
そして『新風林火山四天王』は、『恵亜須の街』へと赴いた・・・・・・。
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