第7話



超将軍が於雄得山に来て、初日の昨日は・・・。
全員失神して、お持ち帰りの羽目になってしまったが・・・。
まさか『コレ』が超将軍の人生の、最大の悲劇になる事を、
誰が、予測できたであろうか・・・。
そんなお話・・・。

『ふぁ〜・・・。』
全員の欠伸の音が、だだっ広いこの家に響く。
「おはよう・・・。」
「・・・。おはようさん・・・。」
「おはようございます・・・。」
「起きたぞ・・・。」
上から――號斗丸、爆流、鋼丸、そして…家の主である荒鬼だ。

『はぁ〜・・・』

見た目は爽やかな朝だが・・・。彼らにとっては、憂鬱な朝でしか無かった。
「まぁ・・・。皆さん、見事に失神しましたね・・・。昨夜・・・。」
「ホンマや・・・。」
「解りきった事だったが・・・。」
「ああも見事に、やってくれるとね・・・。」
と、昨夜の、超将軍の失神を話すこの4人・・・。

1時間程、経過した頃・・・。
「さて、朝飯が出来た。」
「俺…皆、呼んでくるわ・・・。」
「頼むで。」
「起こして来いよ。」
と。上から、荒鬼、號斗丸、爆流、鋼丸の順だ。
朝飯が出来た為、他の超将軍を號斗丸が呼びに行った。
恐らく、昨夜のショックが抜けて無くて、まだ寝ているからだ。
例え、起きて居たとしても…殴り合いをしている。
それを、皆が解っていた為、敢えて號斗丸を起こし役にしたのだ。
號斗丸が皆の部屋に行った後、こんな会話が繰り広げられていたのは・・・。
「皆さん・・・。ショック死しなければ良いんですが・・・。」
「・・・。ホンマやな・・・。」
「同感だ・・・。」
・・・。蛇足である・・・。

さて、所変わって――超将軍が寝ている部屋では・・・。
「皆〜!!起きやがれ!!」
と、大声を出すものの・・・。皆は現実逃避の如く、布団に潜ったままである・・・。
因みに。この遣り取りは、30分近く続いていた。
「起きん気か・・・。ならば・・・!!」
と、徐に號斗丸は、部屋を出ていき…何かを持って、戻ってきた。
そう・・・。言わずもがな『刀』で、ある。
「さてと・・・。皆、覚悟は良いかな・・・?」
極めて低い声で呟き、刀を振り上げた・・・。

『ギャ〜・・・!!!!!!!!!!』

と、悲痛な、叫び声と、共に・・・。家のその部分だけが、見事に粉砕されたのは・・・。
言うまでも無い・・・。
(因みに。荒鬼達はこうなる予感がしていた為、何も言わなかった。)

そして、40分が経過した頃・・・。
「皆を、起こしてきたぞ〜。」
と、極めて清々しい表情をして、土間に来た號斗丸なのに、対し
超将軍の面々はと言うと・・・。
『お、おはよう・・・。』
半ば『死屍累々』と言う言葉が、ピッタリな程グッタリとしていた・・・。
荒鬼達はそれを見て…『ははは・・・。』と、乾いた笑みを発した。
「さて・・・。朝飯、早く、食べよう。」
と、家主からの鶴の一声で、食事が始まった。

そして、片付けも済み、皆は號斗丸達に事情を聞く事にした。
「まぁ・・・。身体は、見ての通りだな・・・。」
「信じられへんのは、よう、解る・・・。」
「ですけど・・・。」
「コレが事実なんだから、仕方が無い・・・。」
と、4人は言う。
それを聞いていた、他の超将軍は皆こう思った。
『んな、アバウトな・・・。』
と、見事に思惑は一致していた。
しかし、このままでは何なので、列帝城を抜け出して『恵亜須の街』の
爆流達の所に転がり込んで、この『於雄得山』に来た事を大まかに話した。

「本当に心当たり、無ぇのか・・・?」
些かゲンナリとした面持ちで、天地。
「話を聞いてる限りでは、無い様ですね・・・。」
続いて、雷鳴。
「そう、だな・・・。」
『未だに、信じられない・・・!!』と、言う面持ちの鉄斗羅。
「嘘を付いてるとは、思わないたい。」
キョトンとしている、獣王。
「獣王の意見に関しては、俺も同意見だ。」
真剣なのは、千力。

『もしかして…俺達、呼んだのって・・・。共犯の為?』

と、5人の超将軍は声を揃えて、主犯格の2人の超将軍に尋ねた。
そして、2人から返ってきた返事は、当たって欲しく無い事であった・・・。
『大正解。』
と、声を揃えて言った。
その答えに、ガックリと肩を落とす、5人の超将軍であった・・・。

しかし・・・。
「巻き込まれたなら、しゃーねぇか・・・。」(天地)
「そうですね・・・。」(雷鳴)
「そうだな・・・。」(鉄斗羅)
「ココは、1つ・・・。」(獣王)
「・・・。賛成だ・・・。」(千力)

『協力と、いくか!!』

と、5人は顔を見合わせて、荒鬼達に言った。
それを聞いて、號斗丸達は顔を輝かせた。
「良いのか?!」(號斗丸)
「ホンマやな!!」(爆流)
「有難う御座います!!」(鋼丸)
「助かるよ・・・。」(荒鬼)
と、4者4様の答えを返した。

そして、この話から3時間後・・・。
7人の超将軍と1人の女性と鉄機武者が『於雄得山』から姿を消した・・・。
彼らは風が吹くまま旅に出ていた・・・。

因みに、その頃の列帝城・・・。
「何処に居るんだか・・・。」(新生大将軍)
「それが解れば、苦労は致しませんぞ・・・。」(轟天)
「・・・早く見付けて来い・・・!!」(飛駆鳥)
と、会話しながら…彼らは溜まりに溜まった書類と格闘していた。