第8話
『於雄得山』から、旅に出て…一日が経過した。
そして…超将軍、號斗丸、鋼丸の9人は、小さい村の宿屋にいた。
「あ〜…疲れた〜…。」
くてん…と疲れた號斗丸が、部屋に用意された布団に転がった。
「ホンマや…。」
同じ様に、布団に転がった爆流が言う。
『もー…全てに疲れた…。』と、言わんばかりの顔である。
「そうですね…師匠…。」
鉄機武者でもある、鋼丸でさえ…疲れていた。肉体的にではなく…精神的に。
「も〜…全てに疲れた気がするよ…。」
ゲッソリ…とした顔で、荒鬼が溜息を吐く
「そうだな…俺も疲れたよ…。」
疲れからか…苦笑しながら、鉄斗羅も言う。
「ホントに、疲れたぜ…。」
布団に転がりながら、乾いた笑みを発し…天地が言う。
「俺もたい…。」
グッタリした様子で、獣王も言う。
「兎に角、私も…疲れました…。」
トホホ…と言わんばかりの顔で、雷鳴が言う。
「もー…イヤだ…。」
嘆きの表情で、千力が言う。
皆が皆…追っ手に捕まらない様に気を張って、此処まで来たので…憔悴しきっていた…。
その為、宿屋の部屋に転がり込んだ途端、全員が布団に突っ伏してしまったのだ。
超将軍の皆は、5分ぐらい部屋で休んでから風呂へと向かい、
鋼丸は気分転換に、夜風に当たりに外へでた…號斗丸を1人部屋に残して…。
それから暫くして…號斗丸が、不意に腹を押さえて、起き上がった。
「…っ?」
少しだが、腹にジクジクと響く様な痛みがある。
「っ〜…何だ、急に…?」
その痛みは、今までに感じた事のない痛みで内側から響く痛み。
號斗丸は、痛みを紛らわせる為に、腹をさすった。
だが…その痛みは時間が経つにつれて、どんどん酷くなってきた。
「何なんだ…っ!!痛い〜…!」
そう言った時に、超将軍の皆と鋼丸が部屋に戻ってきた。
「どうかしたのか?號斗丸。」
荒鬼が心配して、號斗丸に声を掛けた
「分かんないけど…っ。さっきから、急に…!」
腹をさすりながら號斗丸は、荒鬼にそう答える。
「おいおい…何かに当たったか?」
天地は呆れた顔で、そう尋ねる
「…それは、失礼でしょう?」
雷鳴がすかさず、そんな天地に、ツッコミを入れる。
「2人とも、そんな感じじゃない…ジクジク痛むんだよ…。」
さっきより痛みが酷くなったのか、號斗丸は苦悶の表情を浮かべる。
「大丈夫なのか…?號斗丸。」
オロオロとした表情で、獣王が尋ねる。
「うぅ〜…ちょっと、大丈夫じゃないかも…?」
號斗丸は脂汗を浮かべながら、獣王にそう答える。
「…あ…まさか…;;」
爆流が思い当たった表情で呟いた。
「どうかしたんですか?師匠。」
鋼丸が首を傾げて、爆流に尋ねる。
「ちょっと…舞威丸。仰向けでええから、横なってくれへんか?」
溜息を吐きながら、爆流は號斗丸にそう言った。
「ん…良いよ…。」
そう言って、號斗丸は仰向けに布団に横になった。
「もしかして、此処痛いか…?」
そう言って爆流は、スッと手で下腹部を少し強く押さえた。
「う〜ん…もう少し、下かなぁ…?」
首を振りながら、號斗丸は爆流にそう言う。
「此処か?舞威丸。」
そう言って爆流は、先程より下の方を指で強く押さえた。
「あ〜…そこだよ、痛いの。」
丁度痛い所に当たったのか、號斗丸は少し顔を顰めた。
「あ〜…やっぱしか…。」
それを聞いた爆流は、額に手を当てて溜息を吐き…天を仰いだ。
「「「「「「?????????」」」」」」
雷鳴はその会話で思い当たったらしく…納得した表情を浮かべ、
荒鬼達、残りの面々は疑問符を浮かべた。
「あ〜…舞威丸、多分なんやけどな…その痛み…」
「???」
起き上がった號斗丸は、爆流の言葉に疑問符を浮かべ首を傾げた。
そして爆流は、號斗丸に痛みについて耳打ちした。
「え…?嘘?」
號斗丸は見る見る顔を真っ赤にさせて、そう爆流に言った。
「考えられるのは、これしかないんや…。」
言った爆流も、少しだけ顔を赤くしながらそう言う。
それを見た、雷鳴以外の面々は、ますます疑問符を浮かべた。
「おい、爆流?一体、どうしたんだ?」
荒鬼は、爆流にそう尋ねる。
「そうだぜ、俺等にも解る様に説明してくれよ!」
天地が顔を顰めながら、爆流にそう言う。
「確かに…俺達にも、一応説明してくれ。」
何とな〜く悟ったらしい、鉄斗羅がそう言う。
「そうだ、俺達にも教えて欲しいたい。」
獣王も、爆流にそう言う。
「そうだ、全然解らないぞ。」
疲れている千力も溜息を吐きながら、爆流に尋ねる。
「あ〜っと…ちょっと、コレはなぁ…。」
爆流は、號斗丸の顔を見ながらそう言う。
號斗丸は赤くなりながら、皆から顔を背ける様に俯いている。
それを見て雷鳴は、苦笑している。
「あ…ひょっとして?」
それを見て、荒鬼は何とな〜く悟ってしまった。
「ま…まさか…?」
鉄斗羅も顔を引きつらせながら、爆流に尋ねる。
「何となく解ったんだが…まさか…?」
千力も何となく察し…苦笑しながら、爆流に尋ねた。
「……その『まさか』やな……間違いなく…。」
爆流の言葉に3人は見事に固まり、天井を仰ぎ納得した。
「なぁ!!一体何なんだよ?!」
思わせ振りな態度に、天地が声を荒げた。
「?どう言う事なんだ?」
首を傾げて、獣王は爆流の言葉を待つ。
「師匠…?どう言う事ですか?」
鋼丸は疑問符を浮かべながら、爆流に尋ねた。
「…解った、言うから…あのな…。」
溜息を吐きながら爆流はそう言って、獣王に耳打ちした。
「…嘘だろ…?」
それを聞いて、獣王は顔を引きつらせた。
「残念やけど…ホンマなんや…。」
それを聞いた、獣王は『成る程…』と納得した。
「なぁ…號斗丸、ホント何なんだよ?」
2人の会話が聞こえなかったので、天地は號斗丸に直接聞く事にした。
「り…だって…。」
俯きながら小声で答えたが、天地は聞き取れなかった。
「えっ…?」
「だから!!爆流曰く『生理』だって!!」
聞き返した天地に、號斗丸は赤くなりながらそう言った。
序でに聞いた鋼丸や、解っていた爆流以外の面々も、改めて顔を見合わせて…。
「「「「「「「何ですとーーーーーーーーー?!!」」」」」」」
宿屋中に、彼らの声が響き渡ったのは…言うまでもなかった…。
一方…烈帝城では…。
「…一体何処に、居るんだろうな…號斗丸は。」
新生大将軍が烈帝城の窓から、破悪民我夢の街を見ている
「何処なんでしょうな…。」
疲れ切った表情で、同じく眺める轟天頑駄無の姿が見られ…。
「…まだ見つからないのか?!!何をしておるのだ、新風林火山四天王は!!!」
そんでもって…今は此処に居ない、自ら號斗丸の捜索に向かわせた、
新風林火山四天王に八つ当たりしている飛駆鳥が居たそうな…。
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