生殺しだな。



おい…?

「生きてるか…?」
「………………」
俺の問い掛けに、無言で頷く烏。――その顔色は、珍しく青い。
烏が起きてこないので、様子を見に行ってみたら…既にこの状態だった。

「…痛い…。」
ボンヤリとしてたら、半ば呻く様にそう呟く烏。
「痛い…のか?」
その問い掛けに、コクリと頷く烏。だが…どうして良いのかが、俺には分からない。
だって…――烏のこの痛みの原因は…その…分かるだろ?
「あ゛〜…2日はコレが、続くかと思うと・・・。」
「…そんなに、動けねぇのか?」
烏の言葉に、俺がそう言うと、烏は思いっ切り頷いた。
暫くそうして話していると…烏が急に静かになった。
「おい、カラス…?」
見てみると…烏はスヤスヤと眠っていた。その顔色は、朝と比べたら落ち着いていた。
烏の部屋から出る為、立ち上がろうとしたら…烏の手が、俺の服を掴んでいた。

「…動けねぇ。」

折角の状態だが…今の烏に手を出す気は毛頭ない。
『生殺しだ』と思いながら…それでも半分は『まあ、良いか』とも思い…何とも複雑な気持ちだった。

End.