乱暴に抱き締めるけど、声を聞かせて?

05.「声、きかせて」

 

「ぁ…っ…。」
02にナカを探られる度に、破牙丸は自らの手を使い…声を殺していた。
「…………。」

その様子を02は、無言のまま見つめ…焦らす様に指を動かした。
「ぅぁ…っ!」
焦らす様に指を動かされ、破牙丸は思わずくぐもった声を上げた。
「…辛いんじゃないのかな、01?」
声を上げた破牙丸に、02は揶揄する様に囁きかけた。
それに流されない様に、破牙丸は頭を振った。

「はぁ…いい加減にしてくれないかなぁ、01?」
余りにも声を殺している破牙丸に、02は苛ついた様子でそう言った。
「え…?」
その言葉に破牙丸は、恐る恐る02を見上げた。
02の表情は…誰が見ても、冷たい怒りを湛えている顔だった。
「こうも、声を殺されちゃったらね…楽しくないんだよね、ボクとしては。」
冷たい笑みを浮かべながら、02はもう片方の手で、破牙丸自身を強く握った。
「ぁひぃっ!!」
いきなり自身を強く握られ…破牙丸は、喉から搾り出す様な悲鳴を上げた。
その悲鳴を聞いて、02は冷たく微笑んだ。
「ツライでしょ?01。」
冷たい笑みを浮かべながら…それでも何処か楽しそうに、02は破牙丸にそう言った。
「い、やぁ…。」
余りの辛さに…破牙丸は啜り泣きながら、02にそう懇願した。
「何がイヤなの?01?」
それを聞いて02は知らないフリをして、破牙丸自身に少しだけ愛撫を施した。
「んっ!…ゼ、ロ…ツー…!!」
自身に施された愛撫に、破牙丸は息を詰まらせながら…02を呼んだ。
「…何だい、01?」
02は破牙丸の呼び掛けに、冷たい笑みを浮かべながら顔を上げた。

「も、赦し…て…ぇっ!」

破牙丸は涙を流しながら、02に精一杯に懇願した。
それを聞いて――02は、満足げな笑みを浮かべた。

「…じゃあ――ボクのお願いを、聞いてもらえるかな?01。」

笑みを浮かべたまま…02は、破牙丸にそう囁きかけた。
その言葉に破牙丸は、必死に何度も頷いた。
 
「…声をきかせて、01。」
――キミが、快楽に溺れきった、甘い声を。――

とびっきり甘い声で、02はそう囁き…破牙丸は、それに戸惑った目を向けたが、
快楽には逆らえず…02の言葉に従う様に、甘い声を上げ始めた。

乱暴に抱き締めるけど、声を聞かせて。
ワガママかも知れないけど…好きになればなる程、キミの声を聞かないと淋しいから。