――Trick or Treat?

甘い悪戯

 

「ん…ふぁ…。」

深く口付けていると、烏の口からくぐもった声が聞こえたので、解放してやると――唾液が銀糸の様に、互いの唇を繋いだ。
「はっ…苦し…。」
「ふん…の割にゃ、結構好さそうだったぜ?」
零れた唾液を拭ってやりながら囁いてやると、烏は顔を赤くした。
「付き合ってもらうぜ?」
そう囁いて、俺は烏の柔肌に噛み付き…服に手を掛けた。

「や…ひぁ…。」
「嫌がってる様には、見えねえけどな。」
弱々しく頭を振りながら抵抗する烏に、揶揄の様に囁くと…何時もの強気な目で睨んできた。
「好き…勝、手な事、言…ひゃあ!」
可愛くない事を言う烏に、些か不快感が湧いたので…不意打ち同然に、下着越しに蜜部に触れた。
「――…濡れてんじゃねーか。」
「―――っ!!」
その事を言ってやれば、見事に黙り込む烏。――…こうしてりゃ、それなりに色気はあるのに…。
そんな事を考えながら、俺は…烏の下着を剥ぎ取って、蜜部に直接指を滑らした。
「ひっ…ひゃ、ぁ…ん!」
「…イイ声。」
触れる度に聞こえる烏の声に、背筋が震え上がるのが分かった。もっと聞きたくて、指を激しく動かした。
「あぁ!ひゃ、やぁ…!!」
「…一回、イクか?」
甘い声を上げる烏にそう囁けば、必死に頷いてきたのを見て――烏が一番感じる所に強く触れた。
「やっ!―――ひ、やぁあぁあ!!」
嬲る様に指を動かせば、悲鳴ともとれる声を上げて、烏は達した。

「あっ!ふぁ、や!!」
「ヤらしい顔、してるぜ?」
自身を突き立て動かしながら、そう囁いてやれば…弱々しく頭を振って抗う烏。
「し、て…ないぃ…。」
羞恥の極みに達したのか…烏はそう言って、ボロボロと泣き出してしまった。
「――無意識、かよ…。」
零れた烏の涙を舐め取りながら、俺は思わずそう呟く。
…何だかんだ言って、この状態の烏をいじめ抜く程――俺は鬼じゃない。
軽く溜息を吐いて、泣く烏を宥める様に…俺は緩やかに動く事にした。
「ぁ…アギト…?」
「…泣かれるのは、好きじゃねえからな。」
ボンヤリとした烏にそう言って、互いに上り詰める為――緩急をつけて烏を揺さ振った。
「あ、ひゃ…ふぁ、アギ…もう…。」
「ああ…。」
朧気に限界を訴える烏にそう呟いて、トドメの様に一気に突き上げた。
「ふぁ、あぁああぁ――っ!」
「―――っ!」
烏が悲鳴を上げたその拍子に締め付けられて、烏が果てたのと同時に俺も果てた。

「おい…咢?」
「―――…何だ?」
未だに滾っている俺に気付いた烏が、微妙な顔をして声を掛けてきた。
「…もう、寝たいんですけど…。」
「―――――。」
微睡みそうな表情で言う烏に、黙り込むが…一瞬の不意を衝いて、軽く突き上げた。
「ひっ!?あ…や、ヤダって…!!」
「ファック――喰い足んねえよ。」
身を捩らせて抵抗する烏を完全に押さえ込んで、真っ白な肌に牙を立てて囁いた。

「――未だ、『悪戯』は終わってねえぜ?」

結局…『悪戯』と言う名の俺の仕返し行為は、烏が失神する迄続いた。

ま、何はともあれ―――――Happy Halloween?

End.