やっと、喰らえる。

「忘れられない夜にしてやるよ。」

 あの事から数日――俺は、毎日烏の部屋に行って、烏を少しずつ喰らっていた。
――そのお陰か…ここ数日、烏は戸惑いはするが…拒む事はなくなっていた。
「あ、ひゃ!!」
烏の脚の間に顔を埋めて、溢れる蜜を舐め取る度に…烏の口から零れるのは、何とも甘い声。
暫く行為に没頭していると…耐えられなくなったのか、烏が俺の髪を引っ張った。
「…何だよ?」
「それ…ヤダ…。」
中断されて不機嫌にそう言う俺に、熱に浮かされた声で――途切れ途切れに言う烏。
「…こんなになってるのにか?」
「…っ!」
蜜で濡れているソコに、軽く指を這わせた途端――烏の体が跳ねた。
烏は恨みがましい目で睨むが…それを無視して、俺は烏の胸に手を伸ばし…音を上げるまで愛撫した――。

「や、あぁ!」
グズグズになっているソコを軽く刺激しただけで…甘い嬌声を上げながら、達する烏。
ボンヤリと目を彷徨わせているのを見て、『今日は、此処までか…』と思い、離れようとしたら…烏が腕を掴んできた。
「カラス…?」
烏の思わぬ行動に、俺は首を傾げる――すると、烏がボンヤリと言葉を紡ぎだした。
「…な、ぁ…も、良いの…か…?」
「………。」
思いもよらない烏の言葉に、驚愕して閉口してしまう。
――…ぶっちゃけて言えば、もっとしていたいのが…本音だ。だが…これ以上ヤると、本気で歯止めが利かなくなる。
そんな事を考えていると…烏の口から、心の奥底で待ち望んでいた言葉が零れた。

「…なぁ…くれよ、アギト。」

その言葉の意味を理解した瞬間…俺は衝動的に烏に深く口付けた。
「ん…う゛ぅ…」
執拗に舌を絡めると、烏の口からくぐもった声が聞こえたので…一旦解放してやった。
「…いいのか…?」
「あぁ…も、いいから…全部、くれよ…。」
恐る恐る尋ねると…烏の口からは蠱惑的な了承の言葉が零れたのを聞いて、自身を烏のソコに突き立てた。

「いっ…あぁああ!!」
「…っ!」
突き立てた途端に聞こえる、烏の悲鳴。同時に…反射的に自身を締め付けられて、顔を歪めた。
「…平気か?」
暫くして…俺は烏にそう話し掛ける。本当は…直ぐにでも動きたかったが…烏を気遣って、直ぐには動けなかった。
「…な、何…とか…。」
貫かれた痛みに顔を歪めながら、烏はそう答えた。それを聞いた俺は、少しずつ腰を動かした。
「ゃ…あぁ、ん…。」
腰を動かす度に、慣れてきたのか…烏の口からは、微かに甘い声が零れてきた。
もっとその声が聞きたくて、俺は抉る様に、烏のナカを突き上げた。
「ひっ!?あ、アギ、ト!」
涙が溜まった目で、烏は睨み付けてくるが…それを見て、俺の理性は…見事にキレた。
「…悪ぃ、カラス。」
俺は最後の理性を振り絞って、それだけを言い…烏を突き上げた。
「ひぃ…あ、やぁ、アギ…」
「――カラス…。」

聞こえてくる嬌声に心地よさを感じながら、熱に浮かされた声で烏に囁いて――一際深く…烏のナカを突き上げた。
「や、も…ああぁ!」
「…っ!」
突き上げた瞬間――甘い嬌声を上げ、烏は達し…俺も背中に鈍い痛みを感じながら、烏のナカに熱を吐き出した。

「…大丈夫か?」
自身を引き抜いて、簡単に後始末を済ませて…烏の隣に転がる。
「…ん…。」
眠たげな声を出して頷く烏。それを見て、少しばかり…笑みが零れた。
「…咢…。」
「…何だ、カラス。」
暫くして、烏が急に俺を呼んだ。――…一体、何だ?

「――…すご、良かった…。」

限界だったのか…烏はそう言って、目を閉じ眠りに就いた――…この状況で…卑怯だぞ、その台詞は!
「…ファック、反則だ…。」
そう言いながらも、心の中は…烏を手に入れられた事での満足感と達成感で一杯だった。
――愛してるぜ、カラス。
烏の耳元でそう囁いて、軽く口付ける…聞こえちゃいないだろうが…俺からの、ささやかな仕返しだ。
そうして、烏の温もりを感じながら、俺も眠りに就く為に目を閉じた。

――…溢れんばかりの『愛おしさ』と『独占欲』を共にして…。

End.