急に雨に降られて、廃ビルで雨宿りしていたら…同じ様に、雨でずぶ濡れになった烏を見て…思わず欲情した。
「ちょ、待てって!!」
押し倒された事に、明らかに戸惑った目で抗う烏。
「ファック…誰が待つかよ。」
烏の抵抗を封じたままそう言って、俺は烏の首筋に噛み付いた。
「ぁ、や!」
濡れたシャツ越しに胸の飾りを噛むと、烏の背中が反った。
「…何時もより、イイ反応だな。」
胸を掴んだままそう囁くと、烏の顔が一気に赤く染まった。
「ゃ…だ、って…。」
「――だって?」
何か言いたそうに口ごもる烏に、俺は意地悪く急かす。
「――…此処、そと…だから…っ」
その辿々しい烏の言葉に、俺は納得がいった。
よくよく考えてみれば――何時も事に及んでいるのは…烏の部屋か、もしくは俺の部屋だ。
――一応、廃ビルの室内だが…普段とは違う場所での行為に、無意識の内に昂揚したんだろう。
「…ヨくしてやろうか?」
「ぇ…?」
ボンヤリと目を泳がせる烏にそう言って、シャツをたくし上げて冷たい肌に直接触れた。
「ひゃ…っ、つめた…」
「テメーも冷たい。」
身を捩る烏に、揶揄う様に言ってやると…少しだけ涙で潤んだ目で、俺を見上げてきた。
何処か物欲しげなそれを見て、烏のズボンの中に手を入れた。
「ぁ、」
「――濡れてんな。」
指で触れた蜜部は既に濡れてて、それを言うと…烏は一気に顔を赤くした。
それに煽られる様な形で、下着ごと烏のズボンを引きずり下ろした。
「ゃ!」
咄嗟に足を閉じようとする烏。それをさせまいと、俺は身を滑り込ませた。
「――足…閉じんじゃ、ねぇよ。」
「ふ…ぁ…。」
胸元に痕を残しながら囁くと、烏の口からは甘い吐息が零れる。
それを聞いて、俺は烏の蜜部に自身を押し付けた。もう――…我慢なんて、出来そうになかった。
「あ…ああぁぁあ―――――!!」
一気に押し入れば…烏の口からは、悲鳴に近い嬌声が零れた。
「――っ…締め、つけんな…!」
何時になく強い締め付けに、俺は思わず顔を顰めた。
当の烏はと言うと――俺の言葉に無理と言わんばかりに頭を振る。
「ちっ…。」
「ぁ…んんっ!」
そんな烏に、俺は舌打ちしながらも…烏を宥める為、深く口付けた。
「く、ふ…ぁ…。」
舌を絡めれば、くぐもった甘い声が聞こえる。解放すれば、荒く息を吐く烏。
「はぁ…はぁ…。」
「うわ…滅茶苦茶ヤラシイ…。」
それを見て、思わずそう呟く程に…今の烏はヤラシく映った。
口の中に何時の間にか溜まっていた唾液を飲み込んで、俺は腰を動かした。
「ひ!あぁ、やぁ…ぁぎ、やぁ――!」
「言っ…てる事、と…一致、して…ねーぞっ…カラス…!」
言葉に反して締め付けてくる烏に、俺はそう言って――責め立てる様に動いた。
「あ、ふ…あ、ひゃ――あぁ…!」
「は…凄ぇ、イイ…」
甘く啼く烏に、俺は熱に浮かされた声でそう呟く。
震える烏を見て、限界を悟り…貪る様に一際強く、突き上げた。
「ひぃ…あ、ぎ…っ…ぁああああ―――!!」
「く…ぅ!!」
その瞬間、悲鳴を上げながら果てる烏。それと同時に、俺も烏のナカで果てた。
「――大丈夫、か…?」
「ん……。」
全てが終わった後、微睡みかけている烏に声を掛ければ…当の烏は眠たげな声で答える。
「なぁ…咢…。」
「何だ、カラス?」
微睡んだ声で烏が話し掛けてくる――…どうかしたのか?
「まだ、雨…降ってるか…?」
「――ああ…降ってるぜ。」
烏の問い掛けに、それだけを答えて…俺は自分の膝を枕代わりに、烏を横にさせた。
「?あぎと…?」
眠たげな目と声で俺を見上げてくる烏に、思わず笑ってしまう。
「眠みぃんだったら…寝とけ。」
『止んだら、起こしてやる』と言ってやると、烏は『おやすみ』と呟いた後――眠りに就いた。
「…もう少しだけ、降ってろよ…。」
寝ている烏の頭に触れながら、何時の間にか…俺はそんな事を呟いていた。
…その呟きに反応するかの様に、聞こえてくる雨音が大きくなる。
―――まだまだ、雨は止みそうには無かった。
End.