(ああ、早く眠りたい…)
流石に戦で疲れ切ったのか…珍しくそんな事を思いながら三成は足早に部屋へ
向かう。
(――来ているのか。)
部屋の前に辿り着いた三成は、誰も居ない筈の部屋から気配を感じたが、戦明けに
この部屋に入るのは、自分以外には1人しか居ないので大して気にしていない。
だが――部屋の戸を開けたその瞬間。
(な、なぁあああ!!?)
――ドサッ。
その手から愛刀が滑り落ちた。
獰猛な愛情表現
(な、何故…)
部屋に居たのは三成の同僚兼、恋人の徳川家康――普段から、三成の部屋に入り
浸っている為、何らおかしい事は無い――だが、その格好に些か問題があった。
(何故、そんな女の格好でいる、家康ぅううううう!)
そう――部屋に居た家康は、まるで花街の遊女の様な女物の着物を着ていたのだ。
しかも――寝入っている所為か…妙に其処彼処が肌蹴ており、艶かしく肌を
覗かせている。
「っ…!!」
その様に思わず喉が鳴ったが、見入っている場合じゃない――と三成は慌てて
家康を起こす。
「おい!起きろ、家康!!」
「ん、ぅ…?」
その声と揺さぶりで目を覚ましたのか…家康が目を覚ます――暫く、ボンヤリと
していた家康だったが…三成の姿を捉えると、寝起きで蕩けた目と顔でこう言った。
「――おかえり、みつなり。」
その声と表情を見た瞬間――三成の理性がブツリと見事に切れた。
「ひぃ、あぁあ!!」
あの後――『恐惶でも使ったのか?』とも言える早さで、家康を閨に連れ込んだ三成は
執拗に家康の胸を責め上げていた。
「あぅ、み…つなりぃ!!」
「…何だ。」
悲鳴に近い声で呼ばれた三成は、家康の胸から顔を上げ…何か言いたそうな顔を
している家康を見つめる。
「どうした?何か言いたいのだろう…?」
「あ、あぁ…」
膝で起ち上がった家康自身を刺激しながら三成が囁くと…刺激とその声にすら
感じたのか、家康は身体を震わせる。
「言え、どうして欲しい?」
余裕ぶった口調で三成はそう言うが…実際、それ程余裕は無い――元々戦明けな
上に、極上の相手が目の前に居るのだ。
「あ、さ…さわっ――ぃ、ああああ!!」
先を強請る言葉が家康の口から零れた瞬間、三成が家康自身を掴み数回扱いた
だけで――あっけなく家康は果てた。
絶頂の余韻からはくはくと息を吐いていた家康だったが…何か違和感を覚え、見て
見ると――三成が自分の刀の飾り紐で家康自身を緩く縛っていた。
「みつなり…なにを…?」
「――今に分かる。」
尋ねる家康に三成はそう短く返し…先程吐き出された白濁を指に絡めて、家康の
後腔に一気に突き入れた。
「ぃ?!あ、みつ…も、ゆっく‥あぁ!!」
何時に無く乱暴に突き動く三成の指に、家康は悲鳴を上げるが…そんな事は
お構い無しに三成の指は容赦無く家康を追い詰める。
「ぃあ、あ‥も、い――。」
震えながら限界を訴える家康――その瞬間、三成の顔に獰猛とも言える笑みが
浮かんだが…家康が気付く事は無かった。
「いっ――あああ゛あ゛あ!!!?」
果てる筈のその瞬間――強烈な痛みを感じた家康が、悲鳴を上げ…己の下半身を
見て見ると先程結ばれた紐が、吐き出す筈の白濁を塞き止めていたのだ。
「あぐ、みづな…!あああ!!」
「――何だ?」
悲鳴を上げながら家康は、必死に三成に呼びかける――が、三成は素知らぬ
フリをする。
「ひぐ、ひ‥ひも、とっ――おねが、ぁああ!!」
泣き声交じりのそれを聞いた三成は、家康の後腔から指を抜き去る――それに紐を
解いて貰えると言う期待から、家康はホッとしたが…そんな家康の心情を知ってか
知らずか、三成は一気に自身を、家康の後腔に突き入れた。
「ひぃ?!――みづ、なぁ…あああ――――!!」
完全に油断していた所に、三成を受け入れた家康は悲鳴を上げたが…三成はまるで
獣の様に動く。
「あ、ぎぃ…ぁ、みづな…りぃ…」
「は――ぃ、えやすぅ…」
吐き出せない苦しさで呻く家康に三成は興奮で背を震わせ――それから逃れようと
身を捩るも、乱れた着物で身動きの取れない家康の腰を掴み、三成は激しく
突き上げていく。
そして幾度か突き上げたその時――。
「ぃ、あぁあああああ―――――?!!」
「――っ?!!」
突然家康が悲鳴を上げ…その拍子で思いっ切り締め付けられた三成は、呆気なく
白濁を家康の中に吐き出した。
「…いえやす、きさ、ま――。」
その締め付けから三成は家康が果てたと思い…文句を言おうとして、家康を
睥睨するが…その口から文句が放たれる事は無かった、何故なら――。
「――あ、ぁぁああ…。」
家康が恍惚に近い表情を浮かべていたのと、縛られていた家康自身が果てたのにも
関わらず…白濁を吐き出していなかったからだ。
(な――?!)
その状態に驚いた三成だったが、直ぐにある事に思い当たった。
(…もしや、空イキ――とやらか…?)
衆道の一知識としては知っていた事だが…まさか、実際に目にするとは
思わなかったのだ。
「ぅあ、みつ‥りぃ…」
「――何だ。」
弱々しく己を呼ぶ家康の声に三成は我に返り、家康の顔を見やれば――家康は涙を
流しており…引き攣った声で三成に懇願する。
「ひっ…く、も、ひも、とって…おねが…ぃい…。」
「――分かった。」
完全に泣き声のそれを聞き…三成は紐を解いてやり、起ち上がったままの家康自身を軽く扱いてやった。
「ひ――ぅああ!」
長らく吐き出していなかった所為か、その刺激だけで家康は白濁を吐き出し――漸く
吐き出せた安心感と疲労から、家康は気を失った。
(――やり過ぎたか…。)
気を失った家康を眺めながら、三成は内心でバツが悪そうに呟く――戦明けと家康の
女装姿に気が昂ぶっていたのは確かだが…自分でも此処まで手酷く家康を
責めるとは思わなかったのだ。
(――今更…何を言っても言い訳にしかならん――か…。)
そう思いながら三成は溜息を吐き、家康の隣に寝転がり…その身体を抱きこむ。
「…明日は――出来る範囲内で、優しくしてやる。」
気を失っている家康にそう囁いて、三成は目を閉じ――訪れた眠気に
身を委ねたのだった。
翌日――案の定、家康は床から起き上がれず…三成に対して、終始拗ねと
冷ややかさが混じった様な態度を取り、三成もそんな家康の機嫌取りに
必死だったのは言うまでもない――が、ある意味…お互いに自業自得とも
言えるであろう。
End.
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