夕焼けに染まった赤い空の下、家康は独りもがいていた。血濡れた地面から生える無数の黒い手が家康の肢体に絡みついて離れない。

sundown


「く…!」
引き離そうと掴んだ黒の手は死人のように冷たい。家康の手は簡単に撥ね除けられ、寧ろ増えた手に腹を弄られる。そこは家康の弱い箇所。堪らず身を捩ると別の手が
項を這う。
その冷たさにぞっとするが、次の瞬間更に顔が青ざめた。

(まさか…!)

紐が切れ、胸当てがするりと落ちた。上着は捲られ、露になる胸元。魔の手は
そろりと二つの突起に触れ、摘まんだり押し潰したりして弄んだ。

「んっ…!」

早まる鼓動を静めようと顔を背ける。すると目に入った、倒れた女。

「お市…殿っ…」

ああそうだと家康は思い出す。彼女が倒れていたのだった。最愛の人を亡くして、
何もかも分からぬままただ生かされていた、可哀想な女性(ひと)。
西軍に属していると聞いた。しかし理由も分からず倒れている者を放ってはおけない。だから駆け寄ったのだが、お市に辿り着く前に魔の手が家康に襲いかかった。

「……うぁ!」

手足を掴まれ、身体が浮く。掌は脇腹や尻にも達し、尻肉を強く掴まれた。

「やめ……っあ!」

下腹部にも冷気を感じ、家康は目を見開いた。下履きの隙間を縫って影が侵食する。
細くなった指先が自身に絡みつき、緩やかな刺激を与えていく。

「ぅ、…んっ」

快楽に流されまいと歯を食いしばるが、そんな家康を嘲笑うかのように指は尿道に
差し掛かった。

「あああっ!」

割れ目に指先が食い込み、強い快楽が駆け巡る。窮屈なのか、無数の手が家康の
下腹部に伸び、防具ごと履き物を破ってしまった。

「ひ…っ、」

無意識に閉じようとした両足は魔の手により無理矢理開かれてしまう。誰が見ている
わけでもないが、野外でこんな痴態にされるのは耐えられない。

「頼む…!やめてくれっ…」

懇願してみても魔の手は聞かず、自身を擦り続けている。溢れ出す蜜が後孔に流れ、湿るそこにも手が伸びた。

「ひぅっ!っあ、だ、だめ…!」

肉壁をぐいぐいと進み、奥のしこりを指先が掠めた。ピクリと反応したのを魔の手は
逃さなかった。ここが好いトコロだと認識して、更に執拗に攻め立てる。

「あっ、あ、いや…!っあぁ!」

前後から激しく攻め立てられ、足の指先が震える。

「は、ぁ…っあああ――!!」

魔の手によって、家康はひとり達した。腹に白濁がかかり、身体の力が抜けていく。
今まで家康を攻めていた手は家康の身体を優しく包み、覆っていく。
(ああ…ワシが、黒影に飲み込まれていく…)
でも闇が心地よいと思った。そのまま家康は沈みゆく意識に任せて目を閉じた。


空はいつの間にか日が暮れていた。太陽もまた、闇に飲み込まれて
沈んでいったのだ。
笑子様から頂きました、某所字チャでの宿題SSです。
触手(魔の手)に好き勝手されるやっさん…萌えです。
素敵SS、ありがとうございました!!