――どれだけ…っ!

ぬめる腿に噛み痕を


「ひゃ…!」
触れる度に上がる声に、昂揚するのが手に取る様に分かる。
「ちょ…擽ったい。」
「それだけか?」
そう問い掛ければ、僅かに顔を赤くする――当たりか。
「…意地悪だ。」
「何とでも言え。」
拗ねた様に言う彼に、私はサラリと言い返し…その足の指先を噛む。

「っ!」
「すまん、滑った。」
態とらしくそう言って、そのまま舐め上げていく。
「ぁ…」
暫くすると――彼の足が空を蹴り始めたのを見て、跡を残す。
「ぅあ!」
「…痛いか?」
私が問い掛ければ、彼は首を振る――それを見て、足の付け根に手を伸ばした。
「っ…。」
「――怖がるな。」
怯えた顔になった彼に、私はそう言って其処に触れた。
「ふぁ…あぁ。」
聞こえてくる声は、凄まじい程に甘く…零れる吐息は、灼けつく程に熱く感じる。
「熱いな…。」
「――?」
思わず呟くと、聞こえたのか…彼は首を傾げた。
「此方の話だ。」
そんな彼に囁いて、更に引っ掻く様に指を動かせば…甲高く声が響き渡る。
「ひっ!じぇ、あ、や…」
「凱…――。」
「あ、ぁ…!」
呼べば、直ぐに響く声に――ちょっとした意地悪で、指を焦らす様な動きに変える。
「な、何で、いきなり…―――。」
「――嫌だったのだろう?」
戸惑う彼に、そう言い放って――更に、緩やかに指を動かす。
「ゃ…」
「なら――どうして欲しい?」
もどかしそうに繰り返し呟く彼に、私は困った様に問い掛ける――実際、
彼の望む様にしてやりたかった。
「…も、ちゃんと――。」
「――分かった。」
それを聞いて、私は今までより激しく指を動かした。

「じぇ、ぃ…あ――!!」

一際強く動かした瞬間――彼は…藻掻く様に私の名を呼び、悲鳴を上げて果てた。

「ぇ…じぇ、なんで――!?」
未だに愛撫を止めない私に、彼は上擦った声を上げる。
「悪いが――私は、未だ満足していない。」
悪戯に跡を残しながら言い放てば――彼は赤くなりながらも、その表情を
凍り付かせた。

結局――その後も、私は悲鳴を上げる彼を貪り尽くした。

――その柔らかい膚に、幾つもの噛み痕を残して。

End.