(――な…?!)
目の前の身体に目を見開いた。

初めて見た君の体


「――み、みつなり…?」
自分の身体を見た途端に固まってしまった三成に、家康は声を掛けるが…三成は
固まったままだ。
(――やっぱり…こんな身体じゃ、嫌だよなぁ…。)
そんな三成の様子に、家康は泣きそうになった――実は家康の身体は『男』でも『女』でも無い、所謂『両性具有』…俗に言えば『ふたなり』と言う身体の持主で、上半身は
『男』だったが、下半身に『男』と『女』を生まれながらに有していた。その為――
付き合い始めてから、事に及ぼうとする三成を家康はずっと拒んでいたのだが…
そんな家康に痺れを切らした三成が強硬手段に出た結果がこの状態である。
「…これがワシが、お前を拒んでいた理由だ。」
家康は抑揚の無い声でそう言いながら肌蹴た着物の襟を合わせる――が、未だに
衝撃が抜け切ってないのか…当の三成は呆然としたままである。
「――こんな身体…気持ちが悪いだろう?」
泣きたい気持ちを抑えながら家康はそう言って、立ち去ろうとした途端…手首を
掴まれて布団に叩き付けられる様に押し倒された。

「い゛?!」

痛みに呻いて家康が上を見上げると――そこに居たのは、まるで『獣』の様に目を
ギラつかせた三成だった。

「――み、つなり…?」
目をギラつかせた三成に、家康は恐る恐る声を掛けるが…三成は家康の首筋に
ガブリと噛み付いた。
「痛っ!ちょ、三成…!!」
「――煩い…!!」
ガブガブと首筋に噛み付く三成に、家康は痛みから声を荒げるが…三成は
吐き捨てる様にそう言って、家康の胸に噛み付いた。
「きゃぅ!」
噛み付かれた途端に上がった声に、家康は咄嗟に口を手で覆い…その声を聞いた
三成も一瞬動きが止まったが、その声に気を好くしたのか…三成は更に
家康の胸に吸い付いた。
「あ!やぁ…」
三成が胸に吸い付く度に『ゾクゾク』と何かが背中に奔る感覚に、家康は弱々しく声を
上げ――その声に興奮した三成が家康のもう片方の胸に手を伸ばし、更に愛撫を
施せば…家康は更に声を上げた。

一頻り家康の胸を堪能した三成は、家康の下半身に目を遣ると…既に家康自身は
先走りを零し…更にその奥にある蜜口も蜜で濡れており…その光景に思わず目が
釘付けになる。
「――み、みな…いで、くれ…。」
その視線に気付いた家康は羞恥で頬を染め、目を伏せる――そんな家康の仕草に、
三成はクラリと眩暈がするのを感じる。
(な、そんな顔をするなぁあああ――――!!)
そんな事を思いながら三成は、心の中で叫ぶ――普段の家康を知ってる分、その
破壊力は凄まじく…見事に煽られた三成は先走りを流す家康自身に手を伸ばした。
「ひ、あぁ!!」
完全に油断した所に自身に触れられた家康は悲鳴を上げ、その声を聞いた三成は
「もっと聞きたい」とばかりに家康自身を愛撫する――『男』である三成の愛撫は、
あっと言う間に家康を追い詰めた。
「あ、ぁぁ…!!」
余りの快感に家康は、口端から唾液を零しながら喘ぎ…絶頂への階段を駆け
上がっていく――が、あと少しで果てると言う所で、突然三成の手が離れてしまった。
「ぁ…?」
遠退いてしまった快楽に家康は『何で?』と目を潤ませながら、三成を見上げる――
そんな家康の表情に三成は、欲情を誤魔化す様にギリッと奥歯を噛み締めると…
奥にある家康の蜜口に指を差し入れた。
「ぅ、あ…」
蜜口に指を入れた途端――家康は苦痛交じりの声を上げ、三成は『あれ?』と
首を傾げた。
(…いやに、狭いな…。)
そんな事を思いながら、指を奥に進めて行くと…指に何か阻むものを感じ、三成は
『もしや』と思い…家康に問いかけた。

「おい、家康…貴様まさか――『初めて』か…?」
「―――っ…。」

その問い掛けに真っ赤になった家康を見た三成は確信を得ると共に、ある意味
『奇跡』とも言える事実に呆然となった。

てっきり――誰かのお手付きだと思っていたのだ。だって昔、家康は『人質大名』と
揶揄されていたし…こんな事言うのもあれだが、もう既に何処ぞの誰かに手を
出されている――と、今の今までずっと思っていたのだ。

「…?」
急に動きを止めてしまった三成を、家康は不思議そうに見詰める――その目の
あどけなさと今の状況のギャップに、理性が焼き切れるのを感じ…蜜口に入れたまま
だった指を再び動かし始めた。
「ひ?!な、ま――ああぁ!!」
止まっていた指が急に動きだしたのに、家康は声を上げ――早く中に入りたい
三成は、家康の声に構う事無く性急に指を動かした。
そして――蜜口が指を三本程受け入れた所で、三成は指を引き抜き…今までの
家康の痴態で兆した自身を蜜口に宛がった。
「――いいか…?」
「…っ。」
コクリと頷く家康を見て、三成は微かにヒクつく蜜口に自身を宛がい…一気に家康を
貫いた。

「ぃ…!うぁあああ!!」
「――――――!!!」
突き入れた途端――何かが破れる微かな音ともに、家康は悲鳴を上げ…三成は
自身を一気に締め付けられ、思わず果てそうになったが…歯を食いしばって耐えた。
「く…力を、抜け…っ!」
余りにも暴力的な締め付けに三成は、そう言うものの…家康はフルフルと頭を振る
――そんな家康に思わず舌打ちをした三成だったが…ふと目線を下に遣ると、
痛みで萎えた家康自身が目に入り…徐にそれを扱いた。
「あっ…。」
扱いた途端――家康の口からは甘い声が零れ、内壁の締め付けも段々と緩やかな
ものへと変化していくのを三成は感じた。
「――動いて、いいか…?」
感覚が馴染んだ頃を見計らって三成が尋ねると、家康は頷き…それを合図に三成は
緩やかに腰を動かし始めた。
「ふ、くぁ…あ…。」
最初は若干――苦痛交じりの声を上げていた家康だったが、時間が経つにつれて…
だんだんと声も甘い物へと変化していき…そして三成の動きも段々と激しさを
増していく。
「ひ、ぁあ!ぁ、だ…あぁん!」
動く度に甘い声を上げる家康に、三成はゾクゾクと熱が湧き上がるのと同時に自身が
どんどんと追い詰められていくのを感じた――そして先走りを流している家康自身の先端を指で刺激しながら、最奥を突き上げた。

「あ、ひぁあああああ―――!!」
「ぐ、ぁ―――!!!!」

その瞬間――家康は自身から白濁を吐き出しながら果てたのと同時に…中に居た
三成自身を締め付け、三成もその時の締め付けで家康の中に白濁をぶち撒けた。

(――あ、ねそう…ってあれ…?)
絶頂の余韻と疲れから、うとうとと眠りに落ちかけた家康だったが…吐き出しても尚…
自分の中で熱を孕んだままの三成自身に気付いて目を見開いた。
(な、えぇ――?!!!?!!)
眠気が吹っ飛んだ家康が、怖ず怖ずと三成を見上げると…荒く息を吐きながら三成は
こう言い放った。

「――まだだ、まだ…貴様を寄越せ、家康…!!」

言い終わると同時に――三成は再び家康の身体に覆い被さり、家康もまた三成の
首に手を回して応じた。

拒める筈がなかった――だって今の家康は…三成だけの『女』だったから。

End.
Title:『TOY』 /Template:『Spica
執筆中BGM:『ピンクと呪文』


オマケ(と言う名の会話文)

「そう言えば――1つ気になった事があるんだが。」
「――何だ…?」

「――…貴様、子を孕む事は可能なのか?」

「――きゅ、急に何て事聞くんだ?!?!」
「…喧しい――で、どうなんだ?」
「た、多分――孕めると思う…『穢れ』も来てるから…。」
「――そうか。」
「あの…みつなりさん――1つお聞きしますが…。」
「何だ?」

「もしかして――『まだ足りない』とか…?」
「――貴様にしては察しがいいな。」

「やだやだやだ!!!ワシもう無理!!ってか、もし本当に孕んだらどうすんだ?!!?」
「安心しろ――その時は責任を持って貴様を『嫁』に貰うなり私が『婿』に行ってやる!!」
「そ、そうか…って、そう言う問題じゃないだろ―――!!!」

「ええい、煩い!!――さっさと貴様を寄越せ、家康ぅううう!!!」

End.