「――はぁ、したいなぁ…」
艶かしい溜息と共に零れた言葉に、書類整理をしていた三成は筆を滑らした。
食べごろ水蜜桃
「い、いえやす…きさ、いま、なにをいった…?」
「え?『したいなぁ』って。」
「――何を?」
我が耳を疑った三成は家康に聞き返すと、返って来たのは先程と同じ言葉だったので
三成は再び問い返す――書類はもう修正不可能だったが、そんな事は既に
頭の中から消え去っていた。
「ん?三成と色事。」
その言葉を聞いた三成は今度こそ本当に固まった、余りの出来事に頭が追い付いて
行かない。
(こ、これは――夢か?!真昼間から、あの、いえやすが?!!)
そう只今、未だ太陽も高い真昼間なのである。だからこそ白昼夢を見てるのかと
思い…三成は思わず自分の手の甲を思いっ切り抓る――非常に痛かった、つまり
この状況は夢ではないのだ。
「みつなり?」
「―――っ?!!?」
三成の奇行が気になったのか…家康が声を掛けると、三成の肩が跳ね上がり…
それを見た家康は三成ににじり寄った。
「なぁ、みつなりぃ…」
「な、何だ?!」
ずりずりと近寄ってくる家康に三成は後退りをしてしまう、そんな三成に家康は
目を潤ませ…こう言った。
「――ワシと、したくないのか…?」
(あぁ!!もう――どうにでもなれ!!)
その言葉と嬌態に負けた三成は、心の中でそう呟いて家康を押し倒した。
「まった!」
「な――。」
着流しに伸ばした手を払いのけられた三成は、言葉を失う――『したい』と言ったのは
貴様の方だろうが!!と――内心で三成が叫んでいると、家康の口から予想外の
言葉が放たれた。
「――きょ、きょうは…わしが、してやるっ!!」
(な、なにぃぃ―――?!?!)
その爆弾発言に三成が動揺した隙に、家康は三成の下帯を取っ払い、既に兆して
いた三成自身を口に咥えこんだ。
「――お、おい!?」
「ぁむ?」
自身を咥え込まれて三成は、慌てて家康に制止を掛けるも…当の家康がきょとんと
した目で、三成を見上げれば――それだけで、咥え込んだ三成自身が更に
硬くなった。
(うっ…。)
思わず反応してしまった三成は内心呻くが…その反応に喜んだ家康は、更に深く
三成自身を咥え込み、舌で丁寧に愛撫していった。
「――ひもひいい?」
「っ、しゃ、べるな…!」
咥えたまま尋ねてくる家康に、三成はギリギリと歯軋りをしながらそう返す――
唯でさえ、咥えられて居るだけで果ててしまいそうなのに、そこで喋られては敏感な
部分に歯が当たるので、三成は堪ったものではない。
(むぅ…あ、これなら…?)
そんな三成にちょこっとだけ腹の立った家康は、先走りを流す鈴口を悪戯に吸い
上げた、その瞬間――。
「ぁ?!い、いえやす!!はな――っ!!」
「――ふぇ?!」
腰が震えた三成は咄嗟に、家康の頭を離したが――ちょっと遅かった様で、
吐き出された白濁は、そのまま家康の顔に降り掛かった。
「あ゛…」
白濁に汚れた家康に、三成は余りの気まずさに呻き声を上げ、拭ってやろうと懐紙を探すが――家康は顔に付いた白濁を指で掬い…そのままその指をしゃぶった。
「―――っ!?!!」
意外とも言える家康の行動に三成は目を白黒させる――が、予想以上に淫靡な
光景に三成自身は再び熱を持ち、完全に起ち上がっていた。
粗方白濁を嘗め尽くした家康は、三成に圧し掛かり…既に息衝いている自分の
後腔に三成自身を宛う…その感触に我に返った三成は、慌てて家康に待ったを
掛けた。
「い、いえやす!ま、まて!!まだならして―――。」
「も、なら…したっ!!」
(はいぃぃいい――――?!!?!)
その言葉に三度固まった三成に構わず、家康は一気に腰を沈めて三成自身を
飲み込んで行った。
「あひ、あぁああ―――!!!」
「―――っ!!」
衝撃で嬌声を上げる家康に、自身を締め付けられて三成は果てそうになるがグッと
堪える…家康の言う様に、後ろは完全に綻んでいた――実は家康、三成自身を
咥えている間にこっそりと後腔を馴らしていたのだ。
「は、ぁ…う、うごいて、いい…?」
「――す、きに…しろ…っ!」
少し落ち着いた家康の問い掛けに、色々堪えている三成がぶっきらぼうに
そう返すと…家康はゆっくりと腰を動す――最初はゆっくりだった動きも、時間が
経つにつれて大胆になってきた。
「ひ、あぁ…ん、ゃああ…!!」
家康が自分の上で快楽を貪ると言う――余りにも淫靡なこの光景を見ている
だけでも、三成は果てそうだった――が、自らの矜持がそれを許さなかった。
(このまま…好き勝手、されて…たまるかぁぁあ――!!!!)
そう心の中で叫んだ三成は、意地で身体を起こして――そのまま家康を押し倒し、
家康の両足を抱え上げ、激しく突き上げだした。
「ひぃ!?あ、みつ…きょ、は――やぁああん!!」
「しる、かっ!!」
嫌々と首を振る家康に、三成は短く返すと――ガツガツと音がしそうな程、激しく腰を
動かす…その動きは今まで我慢していた分、凄まじいものだった。
「ふぁ、みつ…あ、わ…し、もぅ…!!」
それを聞いた三成は、一際強く家康の泣き所と最奥を突き上げたその瞬間――。
「あ、ゃ、ひぃ…ああぁぁああ――――っ!!」
「ぐ、いえやすぅうう―――――!!!!」
感じる所を一気に刺激された家康は嬌声を上げながら果て、三成もその時の
締め付けで家康の中に白濁を吐き出した。
行為が終わった後――疲労と余りの開放感から互いに荒く息を吐いていたが…先に
落ち着いた家康が、三成に声を掛けた。
「なぁ、みつなりぃ…。」
「なんだ…?」
もう爆弾はゴメンだと表情にありありと浮かんでいる三成に、家康は怖ず怖ずと
こう言う。
「も一回…ダメか?」
「――…奇遇だな、私もだ。」
その問い掛けに三成は、一瞬面食らったが…直ぐにニヤリと笑いながらそう返すと…家康の首筋に顔を埋めた――折角の家康からの誘い…据え膳喰わぬは男の恥、
である。
この日以来――家康の方から行為に誘う機会が、少しだけ多くなったと言う。
End.
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