身の内に残る熱に、心が寂しかった。
止め処ない指
「――ん…。」
唐突に寒さを感じて家康が目を覚ますと、隣に寝転がっている三成が居た。
(――ひどいぞ、いつもいつも…)
のんきに眠っている三成を見ながら、家康は心の中でそう思う。
この男と寝てから、幾分経つが…何時も家康の都合などお構いなしに、訪れ、
抱いて、さっさと終わらせてしまう――男の三成は吐き出せば満足なのだろうが…
女の家康はもう少し、抱いていて欲しかった。
「はぁ――仕方ない、か…。」
そう呟いて、家康はノロノロと己の蜜口に指を伸ばした。
「ん…ぁ――。」
先の行為で綻んでいる蜜口は、容易く家康の指を受け入れ――折り曲げる様に
動かせば、グチュと水音を立てた。
「ひ、あぁ――!!」
内側の感じる所に指が当たって、家康は嬌声を上げるが…咄嗟に唇を噛んだ――
こんな浅ましく己を慰めている所を三成に見られたら、それこそ不味いのだ。
「あ、ふ…い、ぁ――。」
見られたらイケナイ――そう思いながらも、指の動きは大胆になり、その都度――
家康の口からは嬌声が零れ落ち、蜜口からは蜜と三成の吐き出した白濁が
交じり合ってハシタナイ水音を立てる。
「あぁ…みつ、ひくっ…みつなりぃ…!」
隣に居る三成の名を小声で呼びながら、家康は更に激しく指を動かす――まるで、
身も心も寂しいのだと訴えるかの様に。
「あ、ゃ――――!!」
内側の感じる所に一際強く指が当たった瞬間、家康は声を押し殺しながら果てた。
「――ふ…。」
余韻で震える身体を叱咤しながら、家康は枕元に置いてある懐紙に手を伸ばし…
汚れた指を拭い、再び三成の隣に転がった。
「――欲しいと思っとるのは、ワシだけか…?」
未だに眠ったままの三成に、家康は寂しそうに胸の内を零す。
「――ワシは寂しいよ、三成…」
そう呟いて、家康は眠りに落ちた。
実は――家康が自分を慰めている辺りから、目を覚ましていた三成だったが…
余りの状況にすっかり声を掛けるタイミングを見失っていたのであった。
End.
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