私を抱き締めて、喉がカラカラになる程に。

297:爆ぜる焔

 

「ちょ、爆流!」
いきなり押し倒されて、號斗丸は困惑した声を上げた。
「…あかんか?」
號斗丸を押し倒したまま…爆流は何処か落ち込んだ声で、そう言った。
「いや、ダメとは言ってませんよ…。」
そんな爆流に、號斗丸は苦笑しながら…そう言った。
「じゃあ、何でなんや?」
號斗丸の言葉に、爆流は首を傾げながら尋ねた。
「あ〜…吃驚して…。」
號斗丸は目線を彷徨わせながら、爆流にそう言った。
「…そんだけと、ちゃうやろ…?」
その言葉に一瞬だけ瞠目して、爆流は――號斗丸にそう言った。
「…バレました?」
爆流の言葉に、號斗丸は――僅かに身体を強張らせた後、そう呟いた。
「…当たり前や、解らん方がおかしいで…?」
その言葉に――爆流は苦笑を浮かべながら、號斗丸にそう言った。
「やっぱり、怖いですよ…。」
爆流の腕に縋りながら…號斗丸は、不安そうな声でそう言った。
「…怖なったら、言うてくれたらええから…。」
自らの腕に縋り付いた、號斗丸を見て――爆流は優しい声色で、そう囁き…號斗丸の首筋に、顔を埋めた。

「…っ…。」
微かに走る痛みに、號斗丸は顔を顰めた。
「………。」
そんな號斗丸を見ながら、爆流は無言のまま…胸の方へと痕を付け始めた。
「あっ…!」
號斗丸は羞恥心からか、慌てて声を上げた。
「…どないした、舞威丸?」
その声を聞いて、爆流は顔を上げ…號斗丸に尋ねた。
「…そ、その…。」
號斗丸は顔を赤くしながら、目線を泳がした。
「…恥ずかしいんか?」
顔を赤くした理由に思い当たった爆流は、呟く様にそう言った。
「…〜っ!当たり前だろ!?」
その言葉に號斗丸は、顔を紅潮させながら、そう言った。
「…そう思う暇も無くなるで?」
そう囁いて爆流は…號斗丸の胸を掴み、その飾りを口に含んで――愛撫しだした。
「あ…っ…!」
その感覚に號斗丸は、身体を強張らせながら――声を上げた。

「いっ…!…ぁ…。」
爆流の指が秘部に入る感覚に、號斗丸は痛みの所為か目を見開いた。
「…痛いんか…?」
痛みで指を締め付ける號斗丸の顔に、口付けを落としながら…爆流はそう尋ねた。
「…ぅ…。」
爆流の言葉に、號斗丸は息を詰まらせながら…必死に頷いた。
「…少しだけ、我慢したらええから…。」
必死に頷く號斗丸を見て、爆流はそう囁き…少しずつ、指を動かした。
「ぁ…っ…!」
微かに感じる痛みに號斗丸は、喉を仰け反らせながら――シーツを握り締めた。
そんな號斗丸を労る様に、爆流は、顔中に口付けを落とした。

「ぁ…ぃ、あ…。」
爆流の指が動く度に――號斗丸は頭を振りながら、上擦った声を上げた。
「舞威丸…気持ちええか…?」
濡れた音を立てながら指を動かしている、爆流は熱に浮かされた声で…號斗丸に囁いた。
「ぁ…っ…。」
その囁きにすら感じてしまい、號斗丸は息を詰まらせながらも頷いた。
「…かわええなぁ…。」
そんな號斗丸を愛おしそうに見つめ…爆流は指を増やしながら、優しい声色で呟いた。

「…もう、ええかな…?」
爆流はそう呟きながら、最終的に3本までに増えた指を秘部から指を引き抜き…自分自身を宛った。
「ふぁ…。」
その感触に號斗丸は、身体を強張らせ…息を詰まらせた。
「舞威丸…力、抜いとって…?」
爆流はそう言いながら――強張りを解く様に、號斗丸の身体を撫でた。
「…ん。」
それに安心したのか…號斗丸は身体から、力を抜いた。
「…入れるで?」
熱に浮かされながらも…出来るだけ優しい声色で爆流は、號斗丸に囁いた。
「……。」
その囁きに號斗丸は、無言でゆっくりと頷いた。
それを見て爆流は、逸る気持ちを抑えて――號斗丸の秘部へ、自らを挿入させた。

「あぁ―――――っ!!」
「…っ!」

余りの痛みに號斗丸は、目を見開きながら悲鳴を上げ…爆流は、きつい締め付けに…顔を顰めた。
「舞威丸…っ!力、抜いてくれ…!」
痛い程に自分を締め付けてくる號斗丸に、爆流は熱に浮かされた声で、そう囁きかけた。
「……っ…。」
號斗丸は喋ろうとするのだが…痛みの所為で、声が発せず…只、ひたすらに唇を戦慄かせた。
そんな號斗丸を見て…爆流は労る様に、號斗丸の顔中に口付けを落とした。
それを何度も繰り返し…號斗丸の身体が弛緩したの見計らって――爆流は、號斗丸の耳元へ唇を寄せた。
「舞威丸…もう、動いてもええか…?」
欲望が見え隠れする掠れた声で、爆流は號斗丸に囁きかけた。
「ふぁ…ぅ…。」
その言葉を聞いて、號斗丸は意識が飛びそうになりながらも…荒く息を吐きながら頷いた。
「舞威丸…。」
それを見て爆流は、號斗丸を気遣いながら――腰を動かし始めた。

「あ、ひぁ…!」
痛みより快楽の方が勝ってきたのか…號斗丸の口からは、甘い声が漏れだした。
「舞威丸、ええんか…?」
先程より痛みを訴えなくなった號斗丸に、爆流はそう囁きかけた。
「ぁ…っ…。」
その囁きに…號斗丸は切なげに吐息を漏らしながら、爆流を見上げた。
「っ…。」
その表情に爆流は、思わず喉を鳴らし…箍が外れた様に、激しく腰を動かし出した。
「ばく…っ!ちょ、あ、やぁ…!!」
急に激しくなった爆流の動きに、號斗丸は頭を振りながら…嬌声を上げた。
「すまん…せやけど、もう止まらへん…!」
熱に浮かされた甘い声で爆流は、號斗丸にそう囁きかけた。
「ふぇ…あ、ひゃあ、ん…!」
號斗丸は眦からボロボロと涙を流しながら、爆流に縋り付いた。
「舞威丸…。」
そんな號斗丸を見て――爆流は眦に浮かんだ涙を、舌で舐め取った。
「あ…ふ…。」
それにすら感じ號斗丸は、無意識に甘い吐息を漏らした。
「…。」
それを見て――爆流はお互いに限界だと悟り、腰の動きを早めた。
「あ、ひゃあ、ばく…りゅう、もぅ…!」
飛びそうになる意識の中…號斗丸は、途切れ途切れに爆流の名を呼び――縋り付いた。
「あぁ…。俺、もや…!」
爆流もその呼び掛けに掠れた声で、號斗丸に囁いた。
「ふぁ、も、あぁ―――――!!」
「舞威丸…っ…!」
爆流の背中に爪を立てながら、號斗丸は――悲鳴に近い嬌声を上げながら達した。
その時の締め付けで、爆流も劣情を吐き出した。

「舞威丸、大丈夫か…?」
爆流はそう言いながら、號斗丸の秘部から自身を引き抜いた。
「…ん…。」
達した余韻の所為か…號斗丸は、くったりと身体を弛緩させたまま、緩く首を振った。
「疲れたやろ…寝てかまわんで?」
そんな號斗丸を見て爆流は、號斗丸の頭を撫でながら――そう言った。
「うん…おやすみ、爆流…。」
その言葉を聞いて號斗丸は、微笑みながらそう言って、眠りに落ちた。
「…愛しとるで、舞威丸…。」
眠りに落ちた號斗丸に、爆流はそう囁きかけ…號斗丸を抱き込んで、自らも眠りに就いた。
爆流の顔には、満ち足りた笑みが…號斗丸の顔には、幸せそうな笑みが――それぞれ浮かんでいた。

私を抱き締めて、喉がカラカラになる程に。
貴方が囁く言葉全てが、私にとっては殺し文句…今は貴方と一緒に、この愛の中に居たいだけ。

End.