「ん…ちょ、待ってや…!」
武者丸は身を捩らせて、斗機丸の愛撫から、逃れようとする。
「ダメだ…待てない…。」
武者丸の制止に、斗機丸は焦れた様にそう呟きながら、更に武者丸への愛撫を続ける。
「ひゃ、や…トッキー!」
武者丸は、まるで制止を促す様に、斗機丸の腕に爪を立てた。
「武者丸…?」
その行動で愛撫を止めた斗機丸は、訝しげに武者丸の顔を覗き込んだ。
「……っ…。」
覗き込んだ武者丸の顔には、僅かに恐怖の色が浮かんでいた。
「―――武者丸…。」
それを見て斗機丸は、一瞬戸惑ったが…直ぐに宥める様に、武者丸の頭を撫で始めた。
「なぁ…トッキー…。」
暫くして、落ち着いたのか…武者丸は、斗機丸に話し掛けた。
「何だ?武者丸。」
斗機丸は武者丸の頭を撫でる手を止め、武者丸の顔を覗き込んだ。
「その…して、かまへんで…?」
武者丸はギュッと目を瞑りながら、斗機丸にそう言った。
その言葉に斗機丸は、一瞬面食らったが…その言葉に応じる様に、斗機丸は武者丸に覆い被さった。
「っ…痛…。」
秘部に指が入り込んでくる感触に、武者丸は身体を強張らせた。
「少し…力を抜いてくれないか?」
身体の強張りを解く様に、斗機丸は、武者丸の顔に口付けを何度も落とした。
「…っ…。」
その口付けにすら感じてしまい…武者丸は、身体を戦慄かせた。
「………。」
そんな武者丸を見ながら、斗機丸は、ゆっくりと指を動かし始めた。
「は…ぁ…。」
時間を掛けた愛撫のお陰で、武者丸の口からは、切なげな甘い吐息が漏れ始めた。
「イイのか…?武者丸…。」
増やした指を焦らす様に動かしながら、斗機丸は熱に浮かされた声で、そう問い掛けた。
「ふ…ぁ…。」
武者丸は甘い吐息を吐きながら、虚ろな目で、斗機丸に縋り付いた。
それを見て斗機丸は、武者丸の秘部から、焦れた様に指を引き抜いた。
「もう、良いか…?」
熱に浮かされ、そして何処か掠れた声で…斗機丸は、武者丸に囁きかけた。
その囁きに武者丸は、朦朧とする意識の中、微かに頷いた。
そして…斗機丸は、ゆっくりと己を突き入れた。
「――――――――っ!!」
指とは比べ物にならない質量に、武者丸は、声にならない悲鳴を上げた。
「っ…力を抜いてくれ!」
余りのきつさに斗機丸は、思わず声を荒げた。
「っ…ぁ…。」
武者丸は血の気が失われた顔で、唇を戦慄かせながら頭を振った。
そんな武者丸を見て、斗機丸は、急きすぎた自分に舌打ちをした。
「――――武者丸、武者丸…。」
斗機丸は、子供の様に何度も武者丸の名を呼びながら、労る様に何度も口付けを落とした。
「は、ふ…ぅ…。」
口付けで幾分か力が抜けたのか…武者丸はボンヤリと、斗機丸を見つめた。
「動いてもいいか…?」
武者丸が落ち着いたのを見計らって、斗機丸は、そう問い掛けた。
「ぅ…。」
微かに唇を戦慄かせながら、武者丸は、コクリ…と頷いた。
それを見て斗機丸は、ゆっくりと動き始めた。
「っ、ひぅ…!」
斗機丸が動く度に、武者丸の口からは、喉が引きつった様な悲鳴が上がった。
「痛むのか…?」
引きつった様な悲鳴を上げる武者丸に…斗機丸は、労る様な声色で囁きかけた。
「ん…ゃ…。」
その囁きに武者丸は、弱々しく頭を振った。
斗機丸はそれを見て、自らをギリギリまで引き抜き…再び叩き付ける様に、腰を動かした。
「いっ…!あ、ふぁ!」
急に激しくなった動きに武者丸は、目を見開きながら…嬌声を上げた。
「悪い…優しく出来そうにない…!」
武者丸にそう囁きながら、斗機丸は腰の動きを早めた。
「や、も、いややぁ…。」
ボロボロと涙を零しながら武者丸は、斗機丸に縋った。
「………っ!!」
それを見て斗機丸は――武者丸の涙にさえ欲情してしまう、自分に呆れてしまった。
「ふぁあ…!も…っ!」
武者丸は、斗機丸に縋り付いたまま、そう訴えた。
「あぁ…俺もだ…!」
それを聞いて斗機丸は、一際強く腰を打ち付けた。
「あ、やぁ―――――――!!」
「…く…っ!」
その衝撃で武者丸は、嬌声を上げながら達し…斗機丸も、その時の締め付けで、劣情を吐き出した。
「…大丈夫か…?」
後始末を終えて斗機丸は、己の腕の中で無言を押し通している、武者丸に声を掛けた。
「…大丈夫ちゃうわ…。」
その問い掛けに武者丸は、不機嫌な声でそう返した。
「はは…そうか…。」
予想していた答えに斗機丸は、苦笑を漏らした。
「…怖かったんやからな…。」
武者丸は小声でそう言って、斗機丸にしがみ付いた。
「!…済まなかった…。」
それを聞いて斗機丸は、謝罪の言葉を口にし、武者丸の頭を撫でた。
「もう…ええわ…。」
その言葉を聞いて武者丸は、笑みを浮かべながらそう言って、眠りに就いた。
「…許して貰えたのか…?」
そう呟いて斗機丸も、眠りに就く為に、目を閉じた。
お前の肌に噛み付く度に、俺は理性を飛ばしてしまう…。
その流す涙が欲望の色に変わる程に、俺はお前を壊したいと思う位だよ。
End.