この胸の熱さは?

266:冷めない熱

 

「んん…っ!!」
僅かな明かりが差し込む一室で、天零は、武威凰からの口付けを受け、くぐもった声を上げた。
「はぁ、はぁ…!」
武威凰は満足したのか、やっと、天零から離れた…天零は、息苦しさに、荒い息を吐いた。
「い、一体…どうしたんですか?」
余りにも性急な口付けに、天零は、武威凰にそう尋ねた。
「…したくなった、急に。」
それだけを言うと武威凰は、天零の耳朶に、噛み付いた。
「あっ…!」
耳朶に噛み付かれ、天零は、思わず甘い声を上げた。
「…今だけは…私の好きにさせてくれ…。」
そう言って武威凰は、天零を押し倒しながら、首筋に口付けた。
 
「あ…っ」
身体中に走る甘い痛みに、天零は唇を噛み、身体を震わせた。
甘い痛みが走った場所には、武威凰が付けた、赤い華が咲いていた。
「声を殺さないでくれ…。」
声を殺そうと唇を噛んでいる、天零の唇をなぞりながら、武威凰は囁いた。
「ん…でも…。」
唇をなぞられて、天零は吐息を吐きながら、そう言う。
「聞きたくて…堪らないんだ…。」
そう言って武威凰は、天零の手を取り、その指を、自らの口に含んだ。
「あ、ひぅ…。」
指を含まれ、唾液が指に伝わる感触に、天零は、声を上げた。
「………」
武威凰は、熱に浮かされた、天零の表情を見て、満足したのか…漸く、天零の指を口から放した。
そして武威凰は、天零の胸の飾りを、口に含み転がしながら、愛撫を施し始めた。
「あ…ん…。」
その感触に、天零は、甘い声を上げた。
 
「や…ぁ…。」
水音を立てて、指が入り込んでくる感覚に、天零は声を上げた。
「もう少しだけ…力を…。」
無意識に強張った天零の身体を、宥める様に撫でて、武威凰は、更に愛撫を施しだした。
「あ…ゃあ…。」
ナカを探られる感覚に、天零は引きつった声を上げ、無意識の内に、武威凰に縋った。
「………」
無意識に縋った天零を見て、武威凰は笑みを浮かべ、指を更に増やした。
「あ、ひゃあ…!!」
増やされた指に、天零は圧迫感を覚え、身体を震わせた。
その声を聞きながら武威凰は、笑みを深くし、指を激しく動かした。
「ひっ…!あ、やぁあ!」
激しく動いた指が、イイトコロに当たったらしく、天零は甘い声を上げた。
「ココか…?」
天零の反応を見て、武威凰は確かめる様に、同じ場所を刺激した。
「ひゃ、あ…ダメ…で…すっ!」
身体中に走る強い快感に、天零は喉を引きつらせながら、媚声を上げた。
「…もう、良いか?天零…。」
甘い声に、理性の箍が保たなくなって、武威凰は掠れた声で、天零に囁いた。
「……っ……」
その囁きに天零は、快感で潤んだ目を向けながら、声を殺しながら頷いた。
そんな天零に、武威凰は――優しく軽く口付けた。
 
「あ…。」
指を引き抜かれ、武威凰のモノが、秘部に宛われる感覚に、天零は声を上げた。
「怖がるな…」
声を上げた天零に、武威凰は囁き、労る様に、軽くキスを落とした。
そして、天零の頬を一撫でして、武威凰は、己を突き入れた。
「あ、やぁああ―――――!!」
強い圧迫感と熱さに、天零は、悲鳴を上げた。
「…っ!」
ナカの熱さと締め付けに、武威凰は、思わず顔を顰めた。
「はぁ…動くが、良いか…?」
荒く息を吐きながら、武威凰は熱に浮かされた声で、天零に囁いた。
「あ…ぅ…。」
甘い吐息を吐きながら、天零は、コクリと頷いた。
それを見て武威凰は、天零の頬にキスを落とし、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「あ、ふぁ…ひゃあ!」
武威凰が動く度に、天零は、甘い声を上げる。
「聞かせてくれ…私だけに。」
聞こえる甘い声に、武威凰は、嬉しそうに目を細めながら、天零のイイトコロを狙って、突き上げた。
「ひゃああん!あ、やぁ!」
刺激に箍が外れたのか、天零は、堪える事を忘れた様に、甘い声を上げた。
武威凰は動かす度に、自身を締め付け甘い声をあげる、天零に、自分が追い詰められていくのを感じ、
ギリギリまで自身を引き抜き、また突き上げ、スパートをかけ始めた。
「あ、ひゃん!も、もう…!!」
限界を訴える様に、天零は切羽詰まった声を上げ、武威凰に縋った。
「私もだ…!!」
そう言って武威凰は、最後と言わんばかりに、一気に突き上げた。
「あぁ、ひぃあああ―――――――――!!」
「くっ…!」
天零は一際甘い声を上げ、劣情を吐き出し…武威凰も、その時の締め付けで、熱い迸りを吐き出した。
 
「ふぅ…大丈夫か、天零?」
自身を引き抜き、天零の隣に横になりながら、武威凰は尋ねた。
「…何とか…。」
疲れの所為で、天零はトロンとした目で、そう返すのが、精一杯だった。
「本当に、すまなかったな…。」
その答えに苦笑しながら、武威凰は、天零に謝罪した。
「いいえ…構いません…」
眠気の所為で、何処かフワフワした表情で、天零はそう返した。
そう言われて武威凰は、微笑みながら、天零を抱き締めた。
「もう、休め…。」
天零を抱き締めながら、武威凰は、小声でそう言った。
「…はい…。」
その問い掛けに応じる様に――天零は、直ぐに眠りに落ちた。
「お休み、天零…。」
眠った天零にそう囁き、武威凰も眠りに付いた。
朝までの僅かな時間、2人は穏やかに眠った。

高ぶる熱、そして思い。
全ては、貴方が突き動かして…衝動でも全て受け止めるから。
この高ぶる声が、冷めない間に…。

End.