「ひぅ…!!」
さっきから自分の感じる所――顎から首筋――を斗機丸は、背後から意地悪く舌で舐めてくる。
「気持ちイイだろ?」
それを知ってか知らずか、斗機丸は、クスクスと笑いながら、そう言って行為を続ける。
「やぁ…トッ…キー…。」
武者丸は弱々しく頭を振りながら、掠れ掠れの声を上げる。
斗機丸は左腕で武者丸の腰を抱いて、
残った右腕で胸を愛撫し始めた。
「ん…!!」
胸の突起を弄られて、武者丸は息を詰まらせた。
「もっと、声を出して、欲しいんだが…?」
意地悪く笑い――尤も武者丸からは見えないが――斗機丸は、項に舌を這わせた。
「ひゃん!!やぁ…やっ…てぇ…」
舐められる感触に武者丸は身を震わせながら、途切れ途切れに甘い声を上げた。
「…どうかしたか?」
首筋から背中に掛けて赤い痕を残しながら、斗機丸は武者丸に問い掛けた。
「声…恥ず…かしいんや…!」
甘い吐息混じりに、武者丸は、頬を真っ赤に染めながら、そう答えた。
…ふふっ…」
その答えを聞いて斗機丸は、肩を震わせながら忍び笑いを漏らした。
ちょ…っ、トッキー?!」
忍び笑いをする斗機丸に、武者丸は、頬を赤く染めたまま、声を上げた。
「いやな…『可愛いな…』と、思ってな…。」
そう言って斗機丸は、武者丸の耳朶を、軽く噛んだ。
「ひっ…!!か、可愛…いって…言うんやないぃ…!!」
快感に身を捩らせながらも、武者丸は、せめてもの反抗に、そう言い返す。
「ほぉ〜…?そう言う事を、言うのか?」
その言葉に気を殺がれたのか、斗機丸は、武者丸の肩甲骨の辺りに、思いっ切り歯を立てた。
「ひゃああぁ!!やぁ、ソコは、ヤやぁ…!!」
歯を立てられた感触に、武者丸は悲鳴を上げた。
「あぁ、ココか。」余りの過剰反応に、斗機丸は、『その場所』が、武者丸が感じる所だと、解ると否や…
今度は歯を立てた場所を、執拗に舐めだした。
「あ、やぁ…もぅ、許してぇ…トッ…キーぃ…!」
余りにも強い快感に、イヤイヤする様に武者丸は、そう言いながら頭を振る。
「許して欲しいか?」肩甲骨から腰骨まで舌を這わせたまま、斗機丸は意地悪く問い掛ける。
「…………っ……。」
声を出すのも辛いのか…武者丸は無言のまま、切羽詰まった様にコクコクと頷く。
それを見て斗機丸は『これ以上、苛めるのは酷だな。』と思い、武者丸の身体を自分の方へと向け、
胸の突起を口に含んで愛撫しだした。
「あぁ…ん…。」
武者丸は感触に震えながらも、秘めやかに甘い声を上げた。
「は……っ」
指がナカに入り込んでくる感覚に、武者丸は息を吐いた。
「…未だ、慣れないな…。」
斗機丸は苦笑しながら、慎重に秘部を解していく。
「…慣れ…へんわっ…!!」
ナカを探られる感覚に、身体を戦慄かせながら、武者丸は、そう言う。
「ははっ…まぁ、そうだな。」
斗機丸は楽しそうに笑いながら、ナカに入り込んでいる指を増やした。
「………っ!!」
増えた指に圧迫感を覚え、武者丸は声にならない声を上げた。
そして暫くすると、指がまた増えて…最終的には3本になった。
イイトコロを引っ掻く様に愛撫してやると、面白い様に武者丸の身体が跳ね上がった。
「あぁ……、ひっ…!」
指をバラバラに動かされ、その度にイイトコロに当たるのか…武者丸は引きつった声を上げる。
「………………。」
斗機丸は無言のままで、指での愛撫を続ける…指を動かす毎に、淫らな水音が静かな部屋に響き渡った。
「ねぇ…っ…トッキーぃ…!!」
強請る声で、武者丸は、斗機丸を呼んだ。
「ん…何だ?」
斗機丸は顔を上げ、愛撫を施していない方の指で、武者丸の唇をなぞりながら、問い掛けた。
「もっ……!トッキー…の…頂戴ぃ…!」
武者丸は一番甘い声を上げながら、そう強請った。
それを聞いて、斗機丸は満足げな笑みを浮かべて、秘部から指を引き抜き…
己を取り出して、武者丸の秘部に当てた。
「…入れるぞ?」
己を当てたままで、斗機丸は耳元で囁いて…その誘惑の言葉に、武者丸はコクリ…と頷いた。
武者丸が頷いたのを見て、斗機丸は、一気に己を突き入れた。
「あぁぁぁ―――――――!!!」
「…っ!!」
斗機丸の熱さに武者丸は悲鳴を上げ…斗機丸も、武者丸のナカの熱さに顔を顰め、声にならない声を上げた。
「はっ…ぅ…。」
武者丸は熱さに、引きつった様に荒い息を吐く。
「…もう、動くぞ?」
熱に浮かされた声で、斗機丸は耳元で囁き…それを聞き、武者丸は潤んだ目で斗機丸を見つめた。
それを肯定と受け取り、斗機丸はゆっくりと腰を動かし始めた。
「あ、ひぅ…!」
武者丸はシーツを思いっ切り握り締め、甘い声を上げた。
「もっと…聞かせてくれないか…?」
シーツを握り締めている手に自分の手を重ねながら、斗機丸は囁いた。
「あぁ…!ひゃぅ…!!」
それに答えるかの様に武者丸は、斗機丸が動く毎に、引っ切り無しに甘い声を上げ始めた。
打てば響く様に聞こえる甘い声に、斗機丸は、自分が追い詰められていくのを感じ始めた。
「あ、ひぃ…!トッ…キーぃ…!!」
限界が近いのか、武者丸は口元から唾液を滴らせながら、斗機丸を呼ぶ。
「あぁ…俺も…だ!」
斗機丸はそう言って、武者丸のイイトコロを一気に突き上げた。
「あ、ひゃあぁん!も、ダメぇ――――――――っ!!」
「くっ!!」
突き上げられた衝撃と快感で、武者丸は達し…斗機丸も劣情を吐き出した。
「…はぁ。」
後始末をした後…今は疲れて眠っている武者丸を見つめながら、斗機丸は溜息を吐いた。
今日は完全に理性の箍が外れてしまい、散々焦らしてしまった…と自己嫌悪に陥っていた。
眠っている武者丸の頬を撫でながら、斗機丸は起こさない様に小声で呟いた。
「すまなかった…武者丸…。」
そして…斗機丸は、武者丸に労りのキスを施して自らも眠りに落ちた。
「――――ん?」
暫くして…武者丸はボンヤリと目を覚まし、眠っている斗機丸を見つめた。
「アホ…好き勝手しよってからに…。」
拗ねた顔で武者丸はそう言いながらも、斗機丸の頬に軽いキスを落とした。
「あ…雪や…。」
ふと、外を見ると…雪が深々と降っていた。この調子なら、朝には積もっているだろう。
眠気が限界に達して、武者丸も再び眠りについた。
そんな2人の様子を、降り積もる雪だけが…静かに見守っていた。
辿る指は、何かを求めている様に…熱を呼び覚ます。
雪は…只静かに降り積もるだけで、時も2人を止めはしない…。
でも…思いだけは、雪の様に儚く消えないから…。
End.