「―――――――オイ、待て!!」
破牙丸が押し倒されながらも、必死に叫ぶ。
「煽ったのは、お前の方だろう…。」
その叫びに武侍丸は気を殺がれたのか…破牙丸の手をガッチリと固定したまま、溜息を吐いた。
「っ!オイラは、煽ってねぇ――――――!!」
完全に潤んだ目で破牙丸は、武侍丸に必死にそう言う。
「いや、煽ったな。―――――――さっきのキスで。」
意地悪な笑顔で、武侍丸はそう言い放った。
「あ、アレは…!!」
その言葉に一気に真っ赤になった、破牙丸は言葉に詰まってしまった。
2人は先程、軽いキスをしたのだが…破牙丸が珍しく舌先で、武侍丸の舌を物足りなげにつついたのだ。
その行為に見事に煽られた武侍丸が、破牙丸を押し倒して――――今の状態に至っている。
「って言うか、02(ゼロツー)や03(ゼロスリー)が、未だ起きてるだろ!?」
そう…ココは武侍丸の家なのだ。今現在、彼が預かっている02や03が声を聞いて、
此処に来てしまう事を、破牙丸は1番危惧していた。
それを思い出した破牙丸は、そう言って武侍丸を宥めようとした。
「あぁ…それなら心配するな。アイツ等はもう寝ている筈だからな。」
しかし…そんな破牙丸に、武侍丸は黒い微笑みを浮かべて言い放った。
「――――――!!!」
その一言に破牙丸は一気に血の気が引き、青ざめた顔になった。
「もう言い訳はないな?」
そう言って武侍丸は、噛み付く様に破牙丸に口付けた。
「んっ…んぅ…。」
破牙丸は息苦しくなって身を捩らせたが…武侍丸はそれを許さずに、舌先で更に破牙丸の口内を貪った。
「ぁ…はぁ…はぁ。」
苦しさに耐えられなくなった破牙丸は、武侍丸の胸を叩いた。すると――彼はスッと離れた。
その口からは、唾液が銀の糸を引いていた。
「足りたか、破牙丸?」
キスをし終えた破牙丸の唇を辿りながら、武侍丸は問い掛けた。
「…未だ足りねぇ…。」
武侍丸の問い掛けに、破牙丸は強請る様にそう言った。
その答えに武侍丸は目を見開いたが、楽しそうに笑って、破牙丸に覆い被さった。
「その言葉…後悔するなよ?」
そう言って武侍丸は、破牙丸の身体に愛撫を施し始めた。
「う…ぁ…。」
武侍丸の指が入り込んでくる感触に破牙丸は、くぐもった声を上げた。
「…ココだったな。」
そう呟いて武侍丸は、破牙丸のイイトコロを刺激し始めた。
「ひゃう!ソコ…は、ヤ…だ…!」
ソコに触れた途端に、破牙丸は体を震わせ甘い声を上げた。
「…イイんじゃないのか?イヤじゃなくて。」
耳元に口を寄せ、武侍丸は囁く様に、意地悪くそう言う。
「あぅ…ひぃ!!」
それを聞いて破牙丸は『違う』と言わんばかりに頭を振るが、先程より激しく刺激されて媚声を上げた。
「ならば、イイと言わせるまでだな…。」
そう言って武侍丸は、破牙丸が感じる所からポイントをずらして、愛撫を施しだした。
「…ゃあ…ソコ…じゃ、ない…ぃ。」
焦らす様に愛撫を施され、破牙丸は震える声でそう言った。
「どうして欲しい?」
そう言いながら武侍丸は、イイトコロを引っ掻く様に愛撫を施した。
「ひぁん!…あぁ、どう…っ…て…?」
飛びそうなる意識を、必死で保ちながら、破牙丸は武侍丸に問い掛けた。
「私が欲しいのか?…それともこのまま、放って置かれるのと…どちらが良い?」
耳朶を軽く噛んで、武侍丸は、そう囁いた。
その言葉と耳朶への刺激に、破牙丸は身体を震わせながらも、武侍丸に聞こえる位の小声でこう言った。
「もっ…我…慢でき…ねぇ、頂戴…!!」
それを聞いて武侍丸は指を引き抜き、破牙丸の秘部に自分のモノを当てた。
「あ…。」
当てられた感触に、破牙丸は思わず声を上げた。
「焦るな…入れるぞ。」
そう言いながら頬を撫でた後、自分のモノを、破牙丸の秘部に一気に挿入させた。
「ひぃああああ―――――――――っ!!」
強い圧迫感と熱さに、破牙丸は悲鳴を上げた。
「…っ!はぁ…。」
武侍丸も、破牙丸のナカの熱さに、思わず顔を顰めた。
「もう…動くぞ?」
幾分か掠れた声で武侍丸はそう言い…破牙丸はその言葉を聞いてコクリと頷いた。
それを見て、武侍丸は、腰を動かし始めた。
「あ、やぁあん!!」
動かす度にイイトコロに当たるのと余りの熱さに、破牙丸は甘い声を上げた。
「はぁ…イイか?」
荒く息を吐きながら、武侍丸は、破牙丸に問い掛けた。
「…っ、イィ…!」
余裕が無いのか、破牙丸は、そう言いながら、必死に頷いた。
それを聞いて武侍丸は、一気に腰を動かし始めた。
「ひぁあぁ―――!武侍…丸!」
破牙丸は腕を伸ばし、武侍丸を呼びながら彼の腕を掴んだ。
その甘い呼び声に武侍丸は、自分の理性の箍が外れたのを、感じ始め…
破牙丸のイイトコロを狙って、一気に突き上げた。
「ひゃああ…も、イく―――――――!!」
「私もだ…っ」
突き上げられた衝撃で、破牙丸は達し…武侍丸も、その時の締め付けで劣情を吐き出した。
「ふぅ…。」
後始末も終え眠っている破牙丸を見ながら、武侍丸は溜息を吐いた。
この頃…彼の事を見る度に、どうにも欲情してしまう事が多い…今日は彼が煽ったのだが…。
そう思って武侍丸は、頭を掻いた。
「オマエは、私のモノだ…。」
最後に頬を一撫でしてから、疲労も限界に来ていた事もあり、武侍丸も眠りに付いた。
そして…無意識の内に、破牙丸を抱き込み、破牙丸も武侍丸にしがみ付いて眠った。
そんな2人を、静かな時間が秘めやかに見守っていた。
私は常に、夜は君の熱に足掻いている。
身体を重ねて、愛を語れば語る程、君はヒワイに爪を立てる。
危ない熱を持てば持つ程…君への思いは瀬戸際に。
End.