265:スイートハニームーン
近付く度に、溶けそうになるよ。
「ん、トッキー…」
武者丸が、擽ったそうに声を上げる。
「もう少しだけ、したいんだが?」
クスクスと笑いながら――斗機丸は、武者丸の頬に…羽の様なキスを繰り返す。
「ん〜…かまへんで?」
斗機丸の言葉に、武者丸は首を傾げながらも、嬉しそうに答えた。
その言葉に応じる様に、斗機丸は暫くの間――キスを楽しんだ。
「なぁ…トッキー?」
武者丸は――先程までキスしていた、斗機丸に声を掛けた。
「ん、どうかしたか?」
キスに飽きて、今度は頬を撫でていた斗機丸だったが…武者丸の声に顔を上げた。
「今日、ずっとキスしてたやん…何でや?」
武者丸は首を傾げながら、斗機丸に尋ねた。
「…急にキスしたくなったから…じゃ、ダメか?」
暫く考え込んだ後、斗機丸はそう答えた。
「ん〜…別にええんやけど…やっぱ、知りたいなぁ〜。」
口元に指を当て…武者丸は笑いながら、そう言った。
そんな武者丸を見て、斗機丸はクスクスと微笑んだ。
「強いて言えば…初心に戻ってみた…かな?」
微笑みを湛えたまま、斗機丸、そう言った。
それを聞いて武者丸は、嬉しそうに微笑んだ。
「初心にか〜…偶には、ええな。」
武者丸はニコニコと嬉しそうに笑いながら、そう言った。
「そうだろう?」
頬を撫でたまま、斗機丸も楽しそうに言う。
「ホンマ、こんなのもええなぁ〜…。」
斗機丸に頬を撫でられる度に、武者丸は幸せそうな声を出す。
「そうだな…偶には、な。」
自分に撫でられる度に幸せそうな顔をする武者丸に、斗機丸は笑みを零した。
「な、トッキー。」
武者丸は、斗機丸の顔を急に覗き込んだ。
「どうした、武者丸?」
覗き込まれた斗機丸は、頬を撫でる手を止め…武者丸を見つめた。
「ね、口にキスしてや。」
武者丸は赤くなりながら、斗機丸にキスを強請った。
それを聞いて、斗機丸は目を見開いたが…直ぐに身を起こした。
「ああ、幾らでもしてやるよ。」
そう言って斗機丸は、武者丸の口に啄む様にキスをした。
「ん…大好きや、トッキー。」
キスをされた後…武者丸は同じ様に、斗機丸の頬にキスを落とした。
「…俺も、大好きだ。」
斗機丸はそう言って…また、武者丸の顔中にキスを施し…武者丸もまた、斗機丸の頬にキスを落とした。
2人は暫く――お互いに満足するまで、キスを施し合っていた。
近付く度に、溶けそうになるけど…貴方と溶けるなら、それも良いと思う。
実質、キスだけでも…溶けそうになるし、舞い上がりそうになる。
今更だけど…貴方のキスは、愛のミサイルみたいな物。
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